【IFRS】
IFRSを導入することによって、J-SOXに影響はありますか?(2010/5/13)
連結範囲が広がることによって、内部統制の対象範囲が広がる可能性があります。また、業務プロセスとシステムも変更となることが予想されるため、対応する内部統制も一緒に整備するとよいでしょう。
弊社は有給休暇の買取制度はありません。IFRSが適用されても、有給休暇引当金は計上しなくていいですよね?(2010/4/23)
買取制度の有無に関係なく、有給休暇引当金を計上します。IFRSでは有給休暇は前年度中に勤務を行った結果として会社が権利を付与する=付与した時点で会社は有給取得時に給料を支払う義務を負った、と考えるからです。
弊社は店舗や事務所の賃貸を営んでいます。基本的に契約期間は2年で、契約開始後3ヶ月間はフリーレント期間としています。フリーレント期間は、お客様から賃料はいただかないので、賃貸収益を計上していないのですが、IFRSでは、この処理は認められないと聞きました。実際のところ、どうなんでしょうか?(2009/12/25)
ご質問の取引に係るIFRSに基づく会計処理については、国際会計基準(IAS)第17号の解釈指針である解釈指針委員会解釈指針(SIC)第15号「オペレーティング・リース-インセンティブ-」において規定されています。SIC第15号においては、フリーレントを含むリース契約の獲得又は延長のために顧客に対して提供されるすべてのインセンティブはリース期間にわたりレンタル収入の減額として処理すべきことが定められています。したがって、契約の賃料総額をフリーレント期間を含むリース契約期間にわたり定額法で配分し、各期間において収益として認識することになります。 なお、我が国においても、会計制度委員会研究報告第13号「我が国の収益認識に関する研究報告(中間報告)-IAS第18号「収益」に照らした考察-」において、「我が国のオペレーティング・リース取引に関する会計実務では、解約の可能性が高い、又は相当程度の不確実性があると判断される場合を除き、契約総額をフリーレント期間を含む契約期間にわたって均等に按分して収益を認識している場合が多いと考えられる。これは、収益の総額は契約総額であり、その対価として提供する賃貸という役務は、フリーレント期間を含む契約期間にわたり均等に提供されているとの考え方に基づくものと考えられる。この会計処理は我が国の実現主義の考え方と整合的であると考えられる。」とあり、契約の賃料総額は、フリーレント期間を含む契約期間に渡り均等に案分して収益計上することが実現主義の考え方に整合するとの見解が示されていますので、ご留意ください。
IFRSとコンバージェンスを図ると繰延資産がなくなるのですか?(2009/11/10)
わが国では、会計上①株式交付費、②社債発行費等、③創立費、④開業費、⑤開発費の5つが繰延資産とあります。これらについては、支出時の費用処理することを原則としておりますが、収益費用の対応や期間利益の平準化といった観点から、繰延資産として計上することが認められています。 IFRSでは、①株式交付費、②社債発行費等については金融商品の取引コストとして当初則定額に含めることとされています。③創立費、④開業費は支出時の費用に含められます。⑤開発費に関しては、無形資産に該当する場合(※)は無形資産に計上し、それ以外は費用処理されています。※無形資産の要件はIAS38号に規定されています。 そのため、IFRSとのコンバージェンスを図ると、無形資産に該当するもの以外については繰延資産は廃止されると考えられます。
IFRSが導入された場合、資産・負債は全て時価評価する必要があるのでしょうか?(2009/11/09)
IFRSには資産・負債を重視し、貸借対照表を見ることによって将来のキャッシュ・フローがわかるようにするという側面がありますが、全ての資産・負債を時価評価するとうことではありません。 しかし、日本基準とは大きく異なるため注意が必要です。 IFRSと日本基準との違いは以下のような特徴があります。
| 項目 | IFRS | 日本基準 |
|---|---|---|
| 有価証券 | 減損額の戻入れを行う | 減損額の戻入れは行わない |
| 債権 | 減損処理 | 貸倒引当金を計上 |
| 棚卸資産 | 評価減した金額を戻し入れ処理する | 戻入れしないことも認められている |
| 金融負債 | 償却原価法で評価 | 社債以外は債務額で評価 |
| 有形固定資産 | 再評価モデルを認めている | 原価モデルのみ |
| 減損損失は戻入れ処理 | 減損損失は戻入れ処理をしない | |
| 無形資産 | 再評価モデルを認めている | 原価モデルのみ |
| 投資不動産 | 公正価値モデルを認めている | 原価モデルのみ |
IFRSにおいて、「リストラ費用引当金」の計上要件としては、IFRSにおける引当金を計上する要件を満たしていればよいのでしょうか?(2009/10/30)
日本基準におきましては、リストラに関する引当金に関して特別な規定はありませんが、IFRSにおきましては、翌期の利益を良く見せるために当期にリストラ費用を前倒しで計上してしまいたいとの思いが考えられるため、引当金を計上する3つの要件のほかに、次の2つの要件に該当することが求められます。 ①経営者がリストラクチャリングに関する詳細な公式計画を持っている ②計画の実施を開始するか、または、リストラクチャリングに関する主要な特徴を、影響を受ける人々に公表することによって、関係者の妥当な期待を引き起こす
IFRSにおいて、引当金の要件はどのように変わるのでしょうか?(2009/10/23)
IFRSでは、引当金の会計基準についてIAS37号などで決められています。 まず、日本基準では、企業会計原則において引当金を計上する要件として4つあげられています。 ①将来の特定の費用または損失である ②発生が当期以前の事象に起因する ③発生の可能性が高い ④金額を合理的に見積もることができる 一方、IFRSでは次の3つの要件があげられています。 ①企業が過去の事象の結果として現在の債務(法的または推定的)を持っている ②この債務を決済するために経済的便益を持つ資源の流出が必要となる可能性が高い ③この債務の金額について信頼できる見積ができる ここで、日本基準とIFRSとで引当金の要件の大きな違いは、日本基準は現在の債務を要件としていないことから、現在の債務とはいえないものであっても引当金を計上することに対し、IFRSでは現在の債務ではないものについて引当金を計上することは認められません。
IFRSにおいての在外事業体の範囲を教えて下さい。(2009/10/16)
IFRSでは、会計基準の対象となる在外事業体を報告企業の所在国以外の国 または、所在国の通貨以外の通貨にその活動の基盤を置く報告企業の子会社、関連会社、ジョイント・ベンチャー、または支店としています。 日本基準では、会計基準の対象を在外支店と外国にある子会社・関連会社に限定しておりますので、IFRSでは在外事業体を幅広にとらえているようです。 ですから、日本基準では会計基準の対象とならなくても、IFRSでは対象となることも考えられますので留意が必要です。
IFRSにおいての債権の取扱は、日本基準のように回収可能性に応じて区分表示するのでしょうか?また、貸倒見積額の算定方法は日本基準と同様でよいのでしょうか?(2009/10/08)
IFRSでは、債権についてはIAS39号などで決められております。 最初の問いの回答としましては、IFRSでは日本基準のように債権を分類(一般債権・貸倒懸念債権・破産更正債権等)することはありません。 次に貸倒見積額の算定方法についてですが、IFRSでは日本基準でいうキャッシュ・フロー見積法のみを認めております。 IFRSの場合、減損発生の客観的証拠があるときには、帳簿価額を見積もり、将来キャッシュ・フローの現在価値まで減額し、この差額を損失計上することになります。 そのためには、正確な入金情報等を把握する必要がありますので、債権管理をしっかりと行うことが必須となります。
IFRSにおいて、企業が減損の兆候の有無を評価する際に考慮すべき兆候を教えて下さい。(2009/10/01)
IFRSでは、減損会計の会計基準についてISA36号などで決められています。 また、企業が減損の兆候の有無を評価するにあたって、最低でも次の兆候を考慮することとされています。 外部の情報源 ①資産の市場価値の著しい下落 ②技術的、市場的、経済的、法的環境において悪影響のある著しい変化の発生 ③市場利子率の上昇 ④企業の純資産の帳簿価額が株式の時価総額を超過している 内部の情報源 ①資産の陳腐化または物的損害 ②資産の使用範囲または使用方法の変化 遊休状態、事業リストラ、処分計画等 ③資産の経済的効果が悪化しているという内部報告 減損の兆候については、日本基準と大きな違いはありませんが、日本基準では具体的な数値を定めているのに対し、IFRSでは具体的な数値を定めておらず、兆候を把握するにあたっては企業の実態判断が必要になると思われます。
IFRSでの、棚卸資産の取扱いについて教えて下さい。(2009/09/24)
IFRSでは、棚卸資産の会計基準についてはIAS2号などで決められています。 そして、IFRSでは、棚卸資産は次のいずれかの資産を言います。 ①通常の事業の過程において販売を目的として保有されているもの(商品・製品など) ②販売を目的とする生産の過程にあるのも(仕掛品など) ③生産過程もしくは役務の提供にあたって消費される原材料または貯蔵品 日本基準では短期間に消費される事務用消耗品なども棚卸資産に含まれますが、IFRSではこのような事務用消耗品などは棚卸資産に含まれません。 次に評価方法ですが、IFRSでは評価方法として次のいずれかの方法を認めています。 ①個別法 ②加重平均法 ③先入先出法 後入先出法は日本基準におきましても、2011年3月期から認められなくなりました。また、売価還元法につきましては、IFRSでは実際原価と近似している場合のみ認められます。 続いて評価基準ですが、IFRS、日本基準ともに正味売却価格を持ってB/Sに計上することは同じです(低価法) ただし、日本基準では「洗替え法」「切放し法」の両方が認められていますが、IFRSでは「洗替え法」のみを認めております。
日本基準とIFRSとでは、「研究開発費」の取扱いにどのような違いがあるのか教えて下さい。(2009/09/14)
IFRSでは、研究開発費の会計基準については、IAS38号などで決められています。
日本基準では、研究開発活動はすべて発生時に費用処理することとされていますが、IFRSでは研究開発活動を「研究活動」として発生時に費用計上するか、「開発活動」として無形資産計上するかになります。
「研究活動」としては次のような例があります。
①新しい知識の入手を目的とする活動
②研究成果または他の知識の応用の調査、評価および最終的な選択
③材料、装置、製品、工程、システムまたはサービスに関する代替的手法の調査
④新規または、改良された材料、装置、製品、工程、システムまたはサービスに関して選択した代替的手法についての定式化、設計、評価および最終的な選択
次に「開発活動」として無形資産計上するには次の6つの条件をすべて満たす必要があります。
①使用または売却できるように無形資産を完成させることが技術的に実行可能である
②無形資産を完成させ、さらにしようまたは売却するという意図がある
③無形資産を使用または売却できる能力がある
④無形資産が可能性の高い将来の経済的便益を生み出す方法を説明できる
⑤無形資産の開発を完成させ、使用または売却するために必要となる、適切な資源が利用可能である
⑥開発期間中の無形資産に関する支出を信頼性をもって測定できる能力がある
IFRSの導入により、日本の減価償却はどのようにかわるのでしょうか?(2009/09/07)
IFRSでは、減価償却の会計基準についてはIAS16号などで決められています。 IFRSでは経済的耐用年数が異なる部分で構成される固定資産については、それぞれの構成部分に分けて、それぞれの耐用年数によって減価償却をする必要があります。(コンポーネント・アカウントと言い、金額的に重要なものを対象とします) 飛行機で例えますと、IFRSでは「機体」と「エンジン」とに分けて減価償却するのに対し、日本では分けずにまとめて減価償却するのが通常です。 また、残存価格、耐用年数にも違いが出てきます。 残存価格につきましては 日本では、残存価格ゼロ(2007年4月以降取得した減価償却資産)ですがIFRSでは、資産の耐用年数が到来した時点での見積処分費用控除後の売却見込額とされていますので、固定資産それぞれの実態に応じて見積る必要があります。 次に、耐用年数につきましては 日本の法人税法では、使用が見込まれる期間にかかわらず、固定資産の種類ごとに耐用年数が決められていますが、IFRSでは、企業によって資産が使用されると見込まれる期間であるとされているため、残存価格と同じように固定資産それぞれの実態に応じて見積もる必要があります。
IFRSでは、退職給付だけではなく、幅広く従業員給付について規定されていると聞きました。そもそも「従業員給付」とはどのようなことを言うのでしょうか?(2009/08/31)
IFRSでは、従業員給付の会計基準についてはIAS19号などにより、日本基準より幅広く従業員給付に関する会計処理を規定しています。 では従業員給付とはどのようなものか?それはIFRSでは以下のように定義されております。 ①賃金、給料、年次有休休暇、賞与および現物給付などをはじめとする短期給付 ②退職後給付 ③長期連続休暇、長期障害給付および長期賞与などの長期給付 ④解雇給付 よって、IFRSを適用した場合、新たな会計処理や会計処理の変更等に注意が必要になります。
初めてIFRSを適用して、財務諸表を作成する際には、適用期からIFRSに準じた財務諸表を作成すればよいのでしょうか?(2009/08/17)
結論からいいますと、適用期以前に遡って、IFRSに準じた財務諸表を作成する必要があります。 たとえば、2011年3月期からIFRSを適用して財務諸表を作成するとします。その場合、IFRS1号によると、まず2009年4月1日現在の期首財政状態計算書(B/S)を作成して、2010年3月期と2011年3月期の財政状態計算書、包括利益計算書(P/L)、キャッシュ・フロー計算書、株主持分変動計算書、注記を作成する必要があります。 2009年4月1日現在の期首財政状態計算書については、できる限り過去に遡って、IFRSを適用して作成する必要がありますので、「IFRSに準じた財務諸表をいつ公表するか」を早めに決定し、早くIFRSにより会計処理できるようにする必要があります。 また、さかのぼることを禁止されている会計基準もありますので注意が必要です。
IFRSでは会計方針の変更や、誤りの修正が大変になると耳にしますが何故でしょうか?(2009/08/10)
まず日本基準の場合は、会計方針の変更は変更する会計期間から適用されます。一方、IFRSの場合は、原則として変更する会計期間の前年度の期首にさかのぼって適用して、当初から変更後の会計方針を適用していたかのように取り扱います。これにより、前年度以前の会計情報を修正する必要が生じるため、会社にとっては大きな負担となります。 財務諸表に誤りがあった場合は、日本基準では、過年度の財務諸表の修正は、前期損益修正として発見された期の損益計算書に計上されます。 これに対してIFRSでは、原則として期首残高を修正するなどして、前期の財務諸表を修正する必要があるため、これもまた会社にとっては大きな負担となることが考えられます。
IFRSでは包括利益という概念が用いられているそうですが、包括利益とはどういうものなのですか?(2009/07/23)
包括利益とは、従来の損益計算書で示されている当期純利益に、投資有価証券の評価差額など純利益に反映されていない未実現損益を加味した利益の概念です。
IFRSでは出荷基準が認められない可能性があるそうですが、なぜですか?(2009/07/13)
IFRSにおける収益認識基準(IAS第18号)では、物品の販売について、下記5つの認識要件をすべて満たしたときに認識することとされています。 ・物品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が買い手に移転したこと ・販売された物品に対して、所有と通常結び付けられる程度の継続的な管理上の有効な支配を売り手が保持していないこと ・収益の額を、信頼性をもって測定できること ・その取引に関連する経済的便益が売り手に流入する可能性が高いこと ・その取引に関連して発生した又は発生する原価を、信頼性をもって測定できること ここで、ポイントとなるのが「所有に伴う重要なリスク及び経済価値の移転」です。 通常、売り手が出荷を行った時点においては、買い手は物品を使用し、経済価値を享受できる状態ではない可能性が残ります。そのため、出荷時点での収益認識(出荷基準)は認められない可能性があるのです。
固定資産の減損について、IFRSと日本基準ではどういった違いがあるのでしょうか? (2009/06/24)
固定資産の減損について、IFRS(IAS36号)と日本基準(固定資産の減損に係る会計基準および固定資産の減損に係る会計基準の適用指針)とでは、大きく以下の3点に相違があります。 ①減損損失の認識の判定について IAS36号では、正味売却価額と使用価値(割引後見積将来キャッシュフロー)のいずれか高い金額が帳簿価額を下回る場合に減損損失を認識することとされていますが、日本基準では、割引前見積将来キャッシュフローが帳簿価額を下回る場合に減損損失を認識することとなります。 ②減損損失の戻入れ IAS36号では、減損の原因となった事象が解消された場合、過去に計上された減損損失を戻入れることが可能です(のれんの減損損失は不可)。一方、日本基準では、減損損失の戻入れは認められません。 ③将来キャッシュフローの見積期間について IAS36号では、使用価値の測定にあたって見積るキャッシュフローの期間が最長5年ですが、日本基準では、資産の経済的耐用年数(または資産グループのうち主要な資産の経済的耐用年数)と20年のいずれか短い期間となっています。
IFRSと日本基準では引当金の認識要件はどのように違うのでしょうか?(2009/05/27)
IFRSと日本基準それぞれにおける引当金の認識要件は下表のとおりです。
| IFRS | 日本基準 |
|---|---|
| (IAS37号) ①過去の事象の結果として企業が現在の債務を有している ②当該債務を決済するために経済的便益を持つ資源の流出が必要となる可能性が高い ③債務の金額について信頼しうる見積りができる | (企業会計原則) ①将来の特定の費用又は損失である ②その発生が当期以前の事象に起因する ③発生の可能性が高い ④金額を合理的に見積ることができる |
マネジメント・アプローチってなんですか?(2009/04/20)
マネジメント・アプローチとは、セグメントを内部の管理報告(経営上の意思決定や業績評価)のために分類する方法です。 IFRSと米国会計基準とのコンバージェンスでIFRSで採用されました。日本においてもIFRSとのコンバージェンスにより「セグメント情報等の開示に関する会計基準及び適用指針」において採用されています。
リース取引におけるIFRSと日本基準の主な違いを教えて下さい。(2009/04/08)
主な違いは、簡単に説明すると次のようになります。 また、リース取引に係る日本の会計基準の改正(「リース取引に関する会計基準」平成20年4月1日以後開始事業年度より適用開始)により、日本基準との会計処理に大きな差異はなくなりました。
| 項目 | IFRS | 日本基準 |
|---|---|---|
| 取引の分類 | ファイナンス・リースとオペレーティング・リース(法形式よりも取引の実質を重視します) | 同左 (取引の実質を重視しますが、具体的な数値基準が規定されています) |
| 重要性の低いファイナンス・リースの取扱い(借手) | 重要性にかかわらず、ファイナンス・リースはオンバランスします | 少額リース資産(総額300万円以下)および短期リース取引(1年以内)のように、個々の重要性の基準によりオフバランスが認められています |
| リース資産の減価償却方法 | 自己所有の減価償却資産についての会計方針と一致していなければなりません | 定額法、級数法等のなかから、企業の実態に応じたものを採用します(自己所有の資産と異なる方法でも可能です) |
| セールス・アンド・リースバック取引がオペレーティング・リースの場合 | 原則として売却損益は即時に認識します | 特に規定はありません |
当社はソフトウェアを受注制作するシステム会社です。平成21年4月1日以後開始する事業年度から「工事契約に関する会計基準」が適用されますが、今後、IFRSが導入されるとも聞いています。「工事契約に関する会計基準」について日本基準とIFRSとで相違する点はどういった点なのでしょうか?(2009/04/06)
わが国の「工事契約に関する会計基準」には、「工事契約に関して、工事の進行途上においても、その進捗部分について成果の確実性が認められる場合には工事進行基準を適用し、この要件を満たさない場合には工事完成基準を適用する」(第9項)と規定されています。 そして、成果の確実性が認められるためには、①工事収益総額②工事原価総額③決算日における工事進捗度について、信頼性をもって見積もることができなければならず(第9項)、3つのうち1つでも信頼性をもって見積ることができない場合は工事完成基準による収益認識を行うこととなります。 しかし、国際会計基準11号工事契約(IAS.11.Construction Contracts)では工事完成基準による収益認識は認められないため留意が必要です。IAS.11でも、成果の確実性が認められる場合には工事進行基準により収益認識を行う点は日本基準と同様ですが、成果の確実性が認められない場合は、原価回収基準、つまり、発生済みの工事契約原価のうち回収可能性が高い部分についてのみ収益を認識することとなります。工事契約原価は、発生した事業年度に費用として認識することとなるため、その全額が回収可能と認められない場合、当該工事契約のその期における損益はマイナスとなります。また、このような場合、工事契約総原価が工事契約総収益を超過する可能性もあり、その場合には、予想される損失は直ちに費用として認識しなければならない点も留意すべき点といえます。 わが国の「工事契約に関する会計基準」は平成21年4月1日以後開始する事業年度から適用されます。一方、国際会計基準は、平成21年2月4日に金融庁から公表された「我が国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告)(案)」によれば、強制適用の時期は2012年(平成24年)を目処とするとされており、現状、成果の確実性を信頼性をもって見積ることができず工事完成基準により収益認識を行っている工事取引を行っている企業は対応を考慮する必要があるでしょう。
国際会計基準(IFRS)を導入する際のコンバージェンスとアドプションの違いとは?
コンバージェンスは「両基準の差異を解消し、日本基準をIFRSと同等と評価されるようにする」ということで、つまり自国基準維持です。 一方、アドプションとは「IFRSをそのまま受け入れる」ということですから、日本企業にとっては現自国基準とは別の基準での財務報告が必要になります。 ちなみに2008年は、コンバージェンスからアドプション、すなわち自国の基準を捨てて国際ルールを採用する方向へと国際会計の潮流が大きく変化しました。
CSAとはどのようなものですか。(2009/12/07)
CSA(Control self-Assessment)とは、経営者や業務責任者が共同してシステム監査人などの専門家の指導を仰ぎ、内部統制の有効性を検証し、自己評価する手法である。
内部統制の不備・内部統制の重要な欠陥とは何ですか。(2009/12/02)
内部統制の不備は整備状況における不備のことで、内部統制の重要な欠陥は内部統制の不備のうち一定の金額を上回る虚偽記載、または質的に重要な虚偽記載をもたらす可能性があるものをいいます。 その判断基準は、金額的な重要性の判断・質的な重要性の判断の両方で検討します。
会計上の見積りとはどのような処理ですか。(2009/11/27)
会計上の見積りとは、資産、負債、収益、費用などの金額に不確実性がある場合に入手可能な情報に基づいて合理的な金額を算出する処理のことで、引当金の計上などが該当します。また、見積りの方法を変更した場合は、会計上の見積りの変更として追加情報において注記をすることになります。
内部統制では、複数店舗間の統制をどのようにすればよいのでしょうか。(2009/08/07)
業務プロセスにおける内部統制は、前提として全社的な内部統制が有効に機能している必要があります。このため、複数の店舗を展開している場合には、その店舗間において統制環境に関する均一性を証明することで対応します。 具体的には、各店舗間で同一のマニュアルやシステムを使用しており、結果としてリスクやコントロールをその店舗に対して個別に検討する必要がない(全店舗で同じ統制で問題ない)ことを実証します。
ITに係る全般統制では、IT基盤の概要をもとに評価を行うとされていますが、IT基盤について教えてください。(2009/06/08)
財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(以下「実施基準」)では、「ITに係る全般統制は、通常、業務を管理するシステムを支援するIT基盤(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク等)を単位として構築することになる。例えば、購買、販売、流通の3つの業務システムが1つのホスト・コンピュータで集中管理されており、すべて同一のIT基盤の上で稼動している場合、当該IT基盤に対する有効な全般統制を構築することにより、3つの業務に係る情報の信頼性を高めることが期待できる。」としています。 実施基準では、IT基盤について明確な定義はされていませんが、実施基準の例示や経済産業省から公表されている「システム管理基準 追補版(財務報告に係るIT統制ガイダンス)」では、IT基盤を「ITに関与する組織の構成、ITに関する規程及ぶ手順書等、ハードウェアの構成、ソフトウェアの構成、ネットワークの構成、外部委託の状況」としています。
決算・財務報告プロセスの評価方法について、教えてください。(2009/05/15)
※全社な観点で評価することが適切と考えられるものの決算・財務報告プロセスの評価方法について回答させて頂きます。 財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(以下「実施基準」)では、決算・財務報告プロセスのうち、全社な観点で評価することが適切と考えられるもの(以下「全社レベルの決算・財務報告プロセス」)の整備及び運用状況の評価は全社的な内部統制に準じて、全社的な観点で評価が行われることとなる。それ以外の財務報告への影響を勘案して個別に評価対象に追加することが適切なもの(固有の業務プロセス)の決算・財務報告プロセスについては、それ自体を固有の業務プロセスとして評価することとなるとしています。 ≪評価範囲≫ 全社レベルの決算・財務報告プロセスの評価範囲は、すべての事業拠点について全社的な観点で評価します。ただし、財務報告に対する影響の重要性が僅小である事業拠点に係るものについて、その重要性を勘案して、評価対象としないことを妨げるものではないとしています。 ≪整備及び運用状況の評価≫ 全社レベルの決算・財務報告プロセスの整備及び運用状況の評価については、経営者が質問書(質問書の項目例:質問欄、統制状況欄、根拠資料欄、整備状況欄、運用状況欄、有効性評価欄、改善欄など)やチェックリストなどを利用し評価します。 なお、質問内容及び形式については事前に監査人と協議することが効果的かつ効率的と考えられます。 質問内容としては、以下の項目が考えられます。 ・全社的な会計方針、財務方針の有無 ・個別財務諸表作成のための決算整理手続等の状況 ・連結財務諸表作成のために子会社から収集する連結パッケージ(個別財務諸表、キャッシュ・フロー作成のための増減明細表、注記情報、税務申告書など)の回収や連結作業スケジュールの周知徹底状況 ・会計システムへのアクセス権の状況 ・個別財務表、連結財務諸表の前当期比較など分析 ・有価証券報告書の承認プロセスや承認者 ・法令等の改正などへの対応状況 【参考資料】 日本公認会計士協会監査委員会研究報告(旧)第16号「統制リスクの評価方法」 日本公認会計士協会監査・保証実務委員会研究報告第82号「財務報告に係る内部統制の監査に関する実務上の取扱い」(平成19年10月24日公表) ≪有効性の判断≫ 全社的な内部統制が有効であると判断するには、全社的な内部統制が財務報告に係る虚偽の記載及び開示が発生するリスクを低減するため、以下の条件を満たしていることが重要となります。 ・全社的な内部統制が、一般に公正妥当と認められる内部統制の枠組みに準拠して整備及び運用されていること ・全社的な内部統制が、業務プロセスに係る内部統制の有効な整備及び運用を支援し、企業における内部統制全般を適切に構成している状況にあること。 (実施基準Ⅱ.3.(4).①.ロ)
財務報告に関る内部統制の評価対象である決算・財務報告プロセスについて、教えてください。(2009/05/08)
財務報告に係る内部統制の監査に関する実務上の取扱いでは、決算・財務報告プロセスは、主として経理部門が担当する試算表、財務諸表(連結財務諸表を含む)、有価証券報告書を作成する一連の過程をいうとしています。 財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準では、決算・財務報告に係る業務プロセスを、全社的な観点で評価することが適切と考えられるものと財務報告への影響を勘案して個別に評価対象に追加することが適切なもの(固有の業務プロセス)があるとして、以下のような例示が挙げられています。 ≪全社的な観点で評価するもの≫ ・総勘定元帳から財務諸表を作成する手続 ・連結修正、報告書の結合及び組替など連結財務諸表のための仕訳とその内容を記録する手続 ・財務諸表に関連する開示事項を記載するための手続 ≪財務報告への影響を勘案して個別に評価するもの(固有の業務プロセス)≫ ・リスクが大きい取引を行っている事業又は業務に係る業務プロセス ・見積りや経営者による予測を伴う重要な勘定科目に係る業務プロセス ・非定型・不規則な取引など虚偽記載が発生するリスクが高いものとして、特に留意すべき業務プロセス 決算・財務報告プロセスの評価については、財務報告の信頼性に関して重要な業務プロセスであることに加え、その実施頻度も低いため、評価範囲の妥当性の検討や前年度の運用状況をベースに早期に実施する必要があります。
内部統制報告制度では「IT(情報技術)への対応」として、ITを利用している場合は、ITの評価をする必要があるとしています。どのような評価をすればよいか教えてください。(2009/04/24)
財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準では、情報システムにITが利用されている場合は、通常、情報は種々の業務システムで処理、作成され、その情報が会計システムに反映される。したがって、経営者は、こうした業務システムや会計システムによって作成される財務情報の信頼性を確保するための内部統制を評価する必要があるとし、ITの統制は、全般統制と業務処理に分けられるが、経営者はこの両方を評価する必要があるとしています。 ITを利用した内部統制の整備状況及び運用状況の有効性の評価 ①ITに係る全般統制の評価 経営者は、ITに係る全般統制が、例えば、次のような点において有効に整備及び運用されているか評価する。 ・システムの開発、保守 ・システムの運用・管理 ・内外からのアクセス管理などのシステムの安全性の確保 ・外部委託に関する契約の管理 ITに係る全般統制は、IT基盤の概要をもとに評価単位を識別し、評価を行います。 ②ITに係る業務処理統制の評価 経営者は、識別したITに係る業務処理統制が、適切に業務プロセスに組み込まれ、運用されているか評価する。具体的には、例えば、次のような点について、業務処理統制が有効に整備及び運用されているかを評価する。 ・入力情報の完全性、正確性、正当性等が確保されているか。 ・エラーデータの修正と再処理の機能が確保されているか。 ・マスタ・データの正確性が確保されているか。 ・システムの利用に関する認証・操作範囲の限定など適切なアクセス管理がなされているか。 ITに係る業務処理統制の評価では、個々のシステムごとに行う必要があり、経営者は、必要に応じ流れ図等を利用して、各システムにおける業務処理統制を識別します。 なお、ITの評価は、財務報告に係る内部統制に関連するシステムが対象となるとし、企業が利用するすべてのシステムが評価対象となるのではなく、財務報告に関連するシステムが評価対象となることに留意する必要があります。
期末日後の財務諸表監査の過程で、監査人に提出した財務諸表等に誤りが有った場合に直ちに重要な欠陥があると判断されることになりますか。(2009/04/17)
まず重要な欠陥の判断指針は、基本的には、財務報告全般に関する虚偽記載の発生可能性と影響の大きさ(金額的重要性又は質的重要性)のそれぞれから判断することとされている(実施基準Ⅱ1②)。 実務上、期末日後の財務諸表監査の過程において財務諸表を監査人に提出し、その財務諸表に誤りが発見されたと指摘を受けるケースが考えられます。 金融庁の「内部報告制度に関するQ&A」よりますと、財務諸表監査によって財務諸表に記載する予定の数値等の誤りを指摘されたことが直ちに重要な欠陥に該当するものではないとし、誤り(虚偽記載)を生じされた内部統制上の不備の金額的・質的重要性を勘案して重要な欠陥に該当するかどうかを判断することになるとしています。 なお、有価証券報告書に含まれる財務諸表等のドラフトを監査人に提出し、誤り(虚偽記載)等の指摘を受けたケースについては以下の点に留意する必要があると考えられます。 ① 監査人に提出した財務諸表等のドラフトが監査を受けるためのドラフトであるケース ② 監査人に提出した財務諸表等のドラフトが協議を目的としたドラフトであるケース 開示において高度な専門的判断を伴う場合に、②のような協議を行うことは、従来の財務諸表監査の過程でも行われている実務であるとし、監査人との協議の過程で、重要な虚偽記載が発見されることがあっても、内部統制の重要な欠陥と判断する必要はないとしています。 内部統制報告制度は会社の経営者が行うものです。監査人から指摘を受ける前に、会社の内部統制によって誤りが防止・発見できなかったのかという観点が必要になります。
当社は各業務において市販のパッケージ・ソフトウェアを利用しています。その場合のIT統制は必要でしょうか。(2009/04/10)
一般的に市販のパッケージ・ソフトウェアを利用している場合には、不正のリスクが低減されているため、対策が必要ないと考えられがちです。 内部統制報告制度に関するQ&A問39には、「一般に、事業規模が小規模で、比較的簡素な組織構造を有している企業等の場合には、比較的複雑でないIT環境のもとで業務を行っていることが考えられる。」とし、「例えば、販売さえているパッケージ・ソフトウェアをそのまま利用するような比較的簡易なシステムを有している場合には、個々のITに係る業務処理統制よりも、ITに係る全般統制に重点を置く必要がある(実施基準Ⅲ4(2)②ロ)。」 従って、市販のパッケージ・ソフトウェアを利用しているとしても、IT統制の対策を採らなくても良いということではないことに留意する必要があります。
弊社にはいわゆるCFOという役職はなく、有価証券報告書の作成は経理部長が行なっております。 内部統制報告書には最高財務責任者を記載するようですが、この場合、経理部長となるのでしょうか。 ただ、経理部長は役付きではなく、一社員としては責任が重いように感じるのですが・・・。(2009/04/09)
内部統制に関する内閣府令によりますと、内部統制報告書に役職氏名を記載する最高財務責任者とは、 「会社が、会社内部における役職のいかんにかかわらず、財務報告に関し代表者に準ずる責任を有する者を定めている場合における当該者をいい、単に財務担当している者は、含まない」 とされています。 したがって ①内部統制報告書に記載するのは、財務報告に関し代表者に準ずる責任を有する者を定めている場合 であり、 ②単に財務担当している者は含まない ので、御社の場合、経理部長が当該責任者として定められていないのであれば、記載の必要はありません。 なお、当該最高財務責任者は会社が任意に定めればよく、法令上取締役会等の決議と必要としている者ではなく、届出や登録等も必要ありません。
IT全般統制の不備の考え方について教えてください。(2009/04/02)
IT全般統制の不備については、監査・保証実務委員会報告82号「財務報告に係る内部統制の監査に関する実務上の取扱い」に「ITに係る全般統制に不備がある場合には、関連するすべてのITに係る業務処理統制に影響を及ぼす可能性があることに留意する必要がある。ITに係る全般統制は、ITに係る業務処理統制の継続的な運用を確実にすることを間接的に支援するものであり、ITに係る全般統制に不備があれば、ITに係る業務処理統制は有効に機能しない可能性があるため、虚偽記載が発生するリスクが高まる場合がある。」 また、「ITに係る全般統制の不備は、それ自体が財務報告の重要な事項に虚偽記載が発生するリスクに必ずしも直接に繋がるものではないため、業務処理統制が現に有効に機能していることが検証できないのであれば、全般統制の不備を持って直ちに重要な欠陥と評価されるものではないことに留意する。」とあります。 ITの全般統制の不備は、IT業務処理統制に影響を与えるもので、直ちに重要な欠陥にならない点、業務処理統制に具体的にどのような影響があるか検討し過度な対応にならないよう留意する必要があると考えます。
内部統制報告制度について、期末日に重要な欠陥が残ってしまった場合、監査意見はどうなりますか。(2009/04/01)
期末日に重要な欠陥が残ってしまった(期末日までに是正できなかった)場合、経営者は内部統制報告書において、「財務報告に係る内部統制に重要な欠陥があるため有効でない旨及び是正できない理由等」を記載します。 この場合の監査意見としては、下記4通りが考えられます。
| ケース1 | ケース2 | ケース3 | ケース4 | |
|---|---|---|---|---|
| 内部統制報告書 | 重要な欠陥があるため有効でない旨及び是正されない理由等を記載。 | |||
| かつ、内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果についての、経営者が行った記載が適切である場合 | ①内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果についての、経営者が行った記載に関して不適切なものがあり、無限定適正意見を表明することができない場合において、その影響が内部統制報告書全体として虚偽の表示に当たるとするほどには重要でないと判断した場合 ②重要な監査手続を実施できなかったことにより監査範囲の制約を受けた場合に、その影響が内部統制報告書に対する意見を表明できないほどには重要ではないと判断した場合 | 内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果についての、経営者が行った記載に関して著しく不適切なものがあり、内部統制報告書が全体として虚偽の表示に当たると判断した場合 | 重要な監査手続を実施できなかったことにより、内部統制報告書に対する意見表明のための合理的な基礎を得ることができなかった場合 | |
| 監査意見 | 無限定適正意見 +追記情報 (当該重要な欠陥が財務諸表監査に及ぼす影響) | 限定付き適正意見 +除外事項 (除外事項の内容及び当該除外事項が財務諸表監査に及ぼす影響) | 不適正意見 | 意見不表明 |
当社では、現在内部統制を構築中です。IT統制のスプレッドシートの対応について教えてください。
平成20年11月20日に日本公認会計士協会から「IT委員会報告第31号『IT委員会報告第3号『財務報告監査における情報技術(IT)を利用した情報システムに関する重要な虚偽表示リスクの評価及び評価したリスクに対応する監査人の手続について』Q&A』の一部改正について」(以下IT委員会報告第31号)が公表されました。
今回公表されたIT委員会報告第31号では、「Q19:スプレッドシートに関する統制リスクの評価手続の留意点について、①リスク評価の観点、②統制手続の例示が新たに追加されています。
①スプレッドシートのリスクの程度を評価の観点
・スプレッドシートの複雑さ
・スプレッドシートが処理する金額の重要性
・スプレッドシートが処理する内容・目的
・スプレッドシートの変更頻度等
②複雑かつ重要なスプレッドシートについての統制手続き
・ロジックの検証
・アクセス管理
・変更管理
・バックアップ
・バージョン管理
・データの完全性とセキュリティ
・文書化
スプレッドシートについては、一般的に四則演算を行うような比較的単純なものを占める割合が相当程度ある一方、マクロの利用や処理の内容が相当複雑な計算に利用されるものがある。
したがって、スプレッドシートについて、その処理の内容や財務諸表の記載事項に影響を与えるリスクの程度等を勘案し、対応する必要があると考えます。
内部統制報告制度(J-SOX)対応で、RCM(リスクコントロールマトリックス)に記載するリスクとして、どこまで記載すべきか悩んでおります。たとえば、「承認者が不正・誤謬を見逃す」というリスクはRCMに記載すべきでしょうか。
承認者が承認印を押すというコントロールは、ほとんどの会社様で重要なコントロールとして実施されていると思います。ここで、「承認者がコントロールを適切に実施しない」ということは確かにあり得ることです(めくら判押していませんか?)。ただし、コントロールをコントロールするコントロールを設けるというのは、際限がなくなり、現実的ではありません。承認者が適格か、コントロールをきちんと実施しているかどうかは、全社的な内部統制及び整備・運用状況の評価で確認することになります。
内部統制構築・評価/J-SOX対応
パーチェス法とはどのようなものですか。(2009/10/27)
被結合企業から受け入れる資産および負債の取得原価を、対価として交付する現金および株式等の公正価値(時価)とする方法です。
取引相場のない株式を原則的評価方式の一つである類似業種比準方式とはどういうものでしょうか。(2009/10/19)
類似業種比準価額方式は、事業の種類が自社の業種と同一又は類似する複数の上場会社の平均値に比準させて、評価会社の株式価格を求める方式です。比準要素は、配当金額、利益金額、簿価純資産価額の3つです。 なお、その算定に必要となる業種目別の1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額及び株価については、国税庁から発表されています。
安全利子率とは何ですか。(2009/09/18)
安全利子率とは、最もリスクの低い投資案から得られるリターンのことを言います。 企業価値評価では、評価対象企業よりもリスクの低い代替投資案から得られるリターンを、評価対象企業が最低限実現すべきリターンとして割引率に加算します。 一般的には新発10年物国債の利率が多く用いられています。
ストック・オプションの公正な評価単価はどのように算定するのですか。(2009/09/17)
1.ストック・オプションの公正な評価単価は、付与日現在で算定し、条件変更の場合を除きその後は見直しません(企業会計基準第8号「ストック・オプション等に関する会計基準」6(1))。 2.ストック・オプションの場合、通常は市場価格を観察することができないため、その公正な評価単価は、株式オプションの合理的な価格の見積りに広く受け入れられている、株式オプション算定モデル等の算定技法を利用することになります(同会計基準6(2))。
WACCと負債比率の関係を教えて下さい。(2009/09/11)
加重平均資本コスト(WACC)は、負債コストと自己資本コストを加重平均することにより算出します。負債コストは一般に自己資本コストより負担が軽く、支払利息が税務上損金となる税効果があるため、有利子負債が少ないうちは、自己資本コストよりもWACCは低くなります。しかし、実際には負債が増え続ければ金利負担が上がり、信用不安等から自己資本コスト(株主の期待収益率)が同時に上がるため、負債比率がある一定の割合を超えるとWACCも上昇に転じることになります。
このことからも、負債による資金の調達を戦略的に行うことも必要ですが、同時に負債比率の上限もしっかり認識して、適切な割合を保つ必要があるといえます。
単利と複利の違いを教えて下さい。(2009/08/14)
預金に対する利息を例に取ると、単利とは、預け入れ期間中の利息が元本に対してのみ計算されるもので、複利とは、2回目以降の利息が、元本に前回の利息を加算した金額に対して計算されるものです。
事業活動は獲得した収益を配当という形で分配した後、残った財産が次の事業活動に再投資されるため、株式投資は複利であるといえます。
また、ストック・オプションの公正価値評価に用いられるブラック・ショールズ公式も、複利計算を前提とした計算式です。
ストック・オプションの公正価値評価に用いるブラック・ショールモデルの概要を教えて下さい。(2009/07/09)
ストック・オプションの公正価値は、①原資産株式を株式市場の利子率で付与から権利行使までの期間運用した場合の現在価値から、②権利行使価格と同額の資産を安全利子率(一般的には国債の利率が多く用いられます)で同期間運用した場合の現在価値を差し引いた結果として求められます。 ブラック・ショールズモデルの公式において、「-(マイナス記号)」を挟んで前半部分が上記①を、後半部分が上記の②を表しています。
資本コストとはどのようなものなのでしょうか。(2009/06/23)
資本コストとは、第三者割当などで資本金として調達する資金など、自己資本に係る調達コストをいいます。 借入金などの負債は元金返済に合わせて利息を支払う必要があり、これが負債で資金調達する際の負債コストになります。一方で資本金などは一般的に借入金と異なりコストが掛からないと言われますが、実は配当という形で株主に利益を還元する必要があり、株主もこれを期待して出資を行ないます。これを自己資本による調達コストとして捉え資本コストといいます。
「企業価値」「事業価値」「株主価値」の違いを教えて下さい。(2009/06/16)
①企業価値=事業価値+非事業資産(余剰資金や投資など)
事業価値は事業から生み出される価値を表すため、余剰資金などの非事業資産は含まれません。一方で企業価値はこれらの非事業資産も含めて構成されるため、事業価値に非事業資産を加えたものが企業価値となります。
②株主価値=企業価値-株主以外に帰属する価値(有利子負債など)
企業価値から有利子負債などの株主以外に帰属する価値を差し引いたものが株主価値となります。
DCF方式による株主価値の算定では、営業キャッシュ・フローを基準として企業価値を算定した結果に、非事業価値と有利子負債を加減算することにより、最終的に株主価値を算出することになります。
株価算定の手法である純資産方式とDCF方式の違いを教えて下さい。(2009/06/09)
純資産方式とDCF方式の一番の違いは、算定時点から見て、算定対象会社の将来の収益力を加味しているか否かにあります。 純資産方式は、算定時点の純資産額を基準に評価額が算出されるため、算定時点より先の収益力は加味されません。 一方でDCF方式は、算定時点から将来の収益力を現在価値に割引くことにより評価額を算出するため、純資産方式とは逆に将来の収益力に重点をおいた算定手法です。 一般的に公開準備会社など、今後の成長が見込まれる会社を評価する場合は、純資産方式のみを用いた算定よりも、DCF方式による評価額を加味する方が、実態に即していることになります。
非上場会社でストックオプションを発行した場合に、毎年株価算定書を入手する必要があるといわれたのですが。
ストックオプションの発行にあたり、本源的価値を測定するため、原資産である自社株の評価額を算定することは必要です。よって、ストックオプションの発行時に、株価算定書を入手する必要があります。
また、ストックオプションは発行時だけでなく、発行後も留意が必要です。
ストックオプションの会計基準によれば、本源的価値の見積もりに基づいて会計処理する場合、付与日現在でストックオプションの単位あたりの本源的価値を見積もり、その後は見直さないこととされております。このため、ストックオプションの追加費用計上はされないことになります。しかし、その一方で、ストックオプションの各会計年度末における本源的価値の合計額および各会計年度中に権利行使されたストックオプションの権利行使日における本源的価値の合計額についての注記での開示が求められおります。この注記の作成上、株価算定書が必要になることがあります。
企業価値算定・デューデリジェンス
非公開会社でストックオプションを発行する際に、必ずしもストックオプションの人件費の費用計上しなくてよいと聞いたのですが。
未公開企業におけるストックオプションの会計処理は、ストックオプションの公正な評価単価に代えて、ストックオプションの単位あたりの本源的価値の見積もりに基づいて会計処理を行うことができます。本源的価値の見積もりに基づいて会計処理する場合、多くのケースで費用計上額はゼロになるといえます。というのは、原資産である自社の株式の評価額よりも低い行使価格を設定して付与するという極めて稀なケースを除いて、本源的価値はゼロとされるからです。本源的価値がゼロとなる場合、費用計上額はゼロとなります。
企業価値算定・デューデリジェンス
当社は3月決算のホールディングカンパニーなのですが、保有する土地建物を事業子会社に営業所として多数賃貸しています。営業所は全国に多数存在し、物件数はかなりの多数に上ります。当期末から要求される賃貸等不動産の時価等の開示がかなりの件数にのぼり大変なのではないかと危惧しておりますが、大丈夫でしょうか?(2009/11/06)
賃貸等不動産の時価等の開示は連結ベースでの開示となります。ですので、仮にホールディングスの賃貸が連結子会社に対してのみで、かつ、連結子会社で不動産の賃貸を行っていなければ開示は不要となります。一方、グループ外への賃貸も行っている場合は、当該賃貸物件の連結財務諸表における重要性を勘案して開示の要否を検討することとなります。
後発事象について教えてください。(2009/10/09)
後発事象とは、決算日後に発生した事象で、次期以降の財政状態及び経営成績に影響を及ぼすものをいいます。 監査対象となる後発事象は【修正後発事象】と【開示後発事象】に分類されます。 修正後発事象とは、決算日後に発生した事象ではあるものの、実質的な原因が決算日現在において既に存在しており、決算日現在の状況に関連する会計上の判断ないし見積りをする上で、追加的ないしより客観的な証拠を提供するものとして考慮しなければならない事象をいいます。そのため、重要な事象については、財務諸表の修正を行うことが必要となります。 【修正後発事象の例示】 決算日後に販売先が倒産したことにより、決算日において既に売掛債権に損失が存在していたことが裏付けられた場合には、貸倒引当金を追加計上しなければなりません。 開示後発事象とは、決算日後に発生し、次期以降の財務諸表に影響を及ぼす事象をいいます。そのため、重要な事象については、会社の財政状態及び経営成績に関する的確な判断に資するため、財務諸表に注記を行う必要がある事象をいいます。 【開示後発事象の例示】 ・火災、出水等による重大な損額の発生 ・多額の増資又は減資及び多額の社債の発行又は繰上償還 ・会社の合併、重要な営業の譲渡又は譲受 ・重要な係争事件の発生又は解決 ・主要な取引先の倒産
連結財務諸表の作成において対象となる子会社の範囲について教えてください。(2009/08/26)
1.親会社は、原則としてすべての子会社を連結の範囲に含めなければなりません。 2.親会社とは、他の会社を支配している会社をいい、子会社とは、当該他の会社をいう。他の会社を支配しているとは、他の会社の意思決定機関を支配していることをいい、次の場合には、当該意思決定機関を支配していないことが明らかに示されない限り、当該他の会社は子会社に該当する。 (1)他の会社の議決権の過半数を実質的に所有している場合 (2)他の会社に対する議決権の所有割合が100分の50以下であっても、高い比率の議決権を有しており、かつ、当該会社の意思決定機関を支配している一定の事実が認められる場合 3.親会社及び子会社又は子会社が、他の会社を支配している場合における当該他の会社も、また、子会社とみなすものとする。 4.子会社のうち次に該当するものは、連結の範囲に含めないものとする。 (1)支配が一時的であると認められる会社 (2)前記以外の会社であって、連結することにより利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれのある会社 となっています。(連結財務諸表原則 第三の一)
継続企業の前提に関する注記の概要を教えて下さい。(2009/07/16)
固定資産の減価償却処理に代表されるように、財務諸表は企業が継続することを前提として作成されています。 仮に企業が継続しないことが明らかな場合(例えば清算決議が行なわれた後など)は、清算価値により資産・負債を評価し直す必要があります。 継続企業としての前提に疑義が生じた場合には、その旨を注記により開示する必要があり、どのような場合が該当するかについては、監査委員会報告第74号4項に例示されています。
「四半期財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令(案)」では、四半期報告書において「事業等のリスク」の記載の新設が提案されているそうですが、どういうことを記載するのでしょうか?(2009/07/08)
基本的に有価証券報告書と同様の内容を記載することが予定されています。 具体的には、提出会社が将来にわたって事業を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象(重要事象等)が存在する場合には、その旨及びその具体的な内容を記載することとなります。
四半期財務諸表でゴーイングコンサーン注記をしないといけない場合はどういう場合ですか?(2009/07/01)
四半期会計期間の末日に継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在する場合であって、当該事象または状況を解消し、または改善するための対応をしてもなお継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合です。
当社はホテルの運営やオフィスビルの賃貸を行っています。「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」が公表され、賃貸等不動産の時価等を注記しなければならなくなるそうですが、どの不動産が対象となり、何を注記しなければならないのでしょうか?(2009/04/14)
1.賃貸等不動産の範囲 賃貸等不動産とは、棚卸資産に分類されている不動産以外のものであって、賃貸収益又はキャピタルゲインの獲得を目的として保有されている不動産(ファイナンス・リース取引の貸手における不動産を除く。)をいいます。したがって、物品の製造や販売、サービスの提供、経営管理に使用されている場合は賃貸等不動産には含まれません。 賃貸等不動産には、次の不動産が含まれます。 (1) 貸借対照表において投資不動産(投資の目的で所有する土地、建物その他の不動産)として区分されている不動産 (2) 将来の使用が見込まれていない遊休不動産 (3) 上記以外で賃貸されている不動産 上記のうち(3)は固定資産に計上されている不動産(土地、建物、構築物、建設仮勘定、借地権)のうち第三者に利用させることによってキャッシュ・フローの獲得を図る不動産をいい、たとえば賃貸しているオフィスビルや駐車場などがこれに該当します。ただし、自ら運営するホテルやゴルフ場等はサービスの提供を目的としていることから、賃貸されている不動産には該当せず、開示の対象とはなりません。 したがって、貴社の場合、賃貸しているオフィスビルは開示の対象となりますが、運営しているホテルは開示の対象とはなりません。 なお、国際財務報告基準(IFRS)では、第三者に利用させることによってキャッシュ・フローの獲得を図る不動産については、当該企業がその利用者に対して提供する付随的なサービスが取引全体の中で重要な場合、物品の製造や販売、サービスの提供、経営管理目的で保有されている不動産と同様に取り扱うものとしています。わが国における比較的短期間の賃貸借契約や借手が法的に強く保護されている実情に照らせば、テナント管理を含めたオフィスビル等の運営業務についても、利用者に対する付随的なサービスが重要といえる可能性があり、IFRSが強制適用されることとなった場合、賃貸されているオフィスビル等が賃貸等不動産に該当しない可能性がある点は留意しておく必要があるでしょう。 2.賃貸等不動産に関する注記事項 賃貸等不動産を保有している場合は、次の事項を注記します。 (1) 賃貸等不動産の概要 主な賃貸等不動産の内容、種類、場所を記載します。 (2) 賃貸等不動産の貸借対照表計上額及び期中における主な変動 原則として簿価で記載し(減価償却累計額及び減損損失累計額を別途記載し取得原価により注記することも可能。)、期中の変動に重要性がある場合は、その事由及び金額を記載します。 (3) 賃貸等不動産の当期末における時価及びその算定方法 時価とは、通常、観察可能な市場価格に基づく価額をいい、市場価格が観察できない場合には合理的に算定された価額(「不動産鑑定評価基準」(国土交通省)による方法又は類似の方法に基づいて算定された価額)をいいます。なお、契約により取り決められた一定の売却予定価額がある場合は、合理的に算定された価額として当該売却予定価額を用いることになります。 第三者からの取得時又は直近の原則的な時価算定を行った時から、一定の評価額や適切に市場価格を反映していると考えられる指標に重要な変動が生じていない場合には、当該評価額や指標を用いて調整した金額をもって当期末における時価とみなすことができます。さらに、その変動が軽微であるときには、取得時の価額又は直近の原則的な時価算定による価額をもって当期末の時価とみなすことができます。 また、賃貸等不動産の時価を把握することが極めて困難な場合は、時価を注記せず、重要性が乏しいものを除き、その事由、当該賃貸等不動産の概要及び貸借対照表計上額を他の賃貸等不動産とは別に記載します。 (4) 賃貸等不動産に関する損益 賃貸等不動産に関する賃貸収益とこれに係る費用(賃貸費用)による損益、売却損益、減損損失及びその他の損益等を区分して記載します。 なお、賃貸等不動産の時価はあくまで注記事項であり、貸借対照表計上額は時価でありませんので、留意ください。 3.適用時期 「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」及び「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準の適用指針」は平成22年3月31日以後終了する事業年度の年度末に係る財務諸表から適用されます。
弊社(上場企業)では、当期の決算日後に子会社株式の追加取得を検討しております。これについて、重要な後発事象として開示する必要があると思うのですが、具体的にはどのように開示すればよいのでしょうか?
重要な後発事象の開示については、会社の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす事象がどの時点で発生したかにより、開示する内容が異なりますので、ご留意いただく必要がございます。子会社株式の追加取得を例にすれば、当該子会社株式の追加取得が会社の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすとみられる場合、重要な後発事象として開示する内容は、当該事象の発生した時点により、下記のようになります。
| ケース | 決算日以前 | 決算日後監査報告書作成日まで | 監査報告書作成日後 | 後発事象として開示する内容 | その他の開示 |
|---|---|---|---|---|---|
| ① | ― | 子会社株式の取得に関する取締役会決議 | 子会社株式の取得 | 子会社株式の取得に関する取締役会決議があったことを開示する。 ①その旨 ②その内容 ③損益に及ぼす重要な影響 ④その他重要な事項がある場合にはその内容 | ― |
| ② | 子会社株式の取得に関する取締役会決議 | 子会社株式の取得 | ― | 決算日以前に行われた子会社株式の取得に関する取締役会決議に基づく、子会社株式の取得があったことを開示する。 ①その旨 ②その内容 ③損益に及ぼす重要な影響 ④その他重要な事項がある場合にはその内容 | ― |
| ③ | 子会社株式の取得に関する取締役会決議 | ― | 子会社株式の取得 | ― | 後発事象としての開示はないが、決算日以前に行われた子会社株式の取得に関する取締役決議に基づく子会社株式の取得が今後行われることについて追加情報として注記する。 ①その旨 ②その内容 |
関連当事者との取引は、重要な取引が開示対象になるとのことですが、重要性の判断基準について教えて下さい。
重要な取引の重要性の判断基準は下の表のとおりとなります。
| 対象者 | 内容 | 原則 | 備考 | 例外 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 法人 (1. 【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【10】 【11】 |
(1)損益計算諸項目 | ( i )売上、売上原価、販管費 | 売上の10%を超える取引、又は(売上原価+販管費)の10%を超える取引 | ||
| ( ii )営業外収益、費用 | 営業外収益の10%を超える取引、又は営業外費用の10%を超える取引 | 取引総額を開示 取引総額と損益が相違する場合は損益を併せて開示 |
取引総額が税金等調整前当期純損益又は最近5年間の平均の税金等調整前当期純損益の10%以下となる場合は開示不要 | ||
| ( iii )特別利益、損失 | 1,000万円を超える損益に係る取引 | 取引総額を開示 取引総額と損益が相違する場合は損益を併せて開示 |
取引総額が税金等調整前当期純損益又は最近5年間の平均の税金等調整前当期純損益の10%以下となる場合は開示不要 | ||
| (2)貸借対照表項目 | ( i )全般 | 総資産の1%を超える取引 | |||
| ( ii )資金貸借取引、有形固定資産や有価証券の購入・売却取引等 | 取引の発生総額(資金貸付額等)が総資産の1%を超える取引 | 資金貸借取引については取引金額とともに期末残高も記載 | 取引が反復的に行われている場合や、その発生総額の把握が困難である場合には、期中の平均残高が総資産の1%を超える取引を開示 | ||
| ( iii )事業の譲受、譲渡 | 対象となる資産又は負債の総額のいずれか大きい額が、総資産の1%を超える取引 | ||||
| 個人 (1. 【7】 【8】 【9】) |
損益計算書項目、貸借対照表項目いずれも | 1,000万円を超える取引 | 当該役員等が他の法人の代表者を兼務しており(当該役員等が当該法人又は当該法人の親会社の議決権の過半数を自己の計算において所有している場合を除く)、当該役員等がその法人の代表者として会社と取引を行う場合は「法人」の場合と同様に扱う | ||
平成20年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度から、「関連当事者の開示に関する会計基準」が適用されるとのことですが、開示対象となる関連当事者との取引の範囲について教えて下さい。
開示対象となる関連当事者との取引の範囲は下の図のとおりとなります。
従前に比べて、関連当事者の範囲が拡大されました。(下図の【4】【7】【8】【9】【10】【11】)
決定事実の開示時期を教えて下さい。
東証の適時開示規則では、「決定事実の開示は、会社の業務執行を決定する機関が決議又は決定した場合、直ちに開示しなければならない」とされています。よって、取締役会決議を行ったならば、その当日に適時開示をしなければなりません。もっとも、この場合の「機関」とは、取締役会だけでなく、実質的な決定機関(代表取締役個人を含む)を含むとされていますので注意が必要です。例えば、取締役会決議の前に代表取締役が決定した場合は、代表取締役の決定時点で開示します。
ディスクローズ・連結決算支援
新聞紙上など報道によると、四半期決算発表は30日以内に開示することが必要であるとされていますが?
四半期決算発表では、少なくとも年度末の決算発表と同等以上の決算発表の早期開示が求められ、目安としては、四半期後30日以内の開示がよりのぞましとしています(東京証券取引所 「四半期決算短信様式・作成要領(平成20年6月)より抜粋」。
したがって、年度末決算短信は、遅くとも45日以内に開示されることが適当であるとされていますので、30日以内に開示する必要はないと考えます。
しかし、最近の情報開示の流れなどを考慮すると期末後30日以内に開示できる体制を整えることが必要です。
ディスクローズ・連結決算支援
キャッシュアウト・マージャーとは何ですか。(2009/11/20)
会社法の施行により合併の対価が柔軟化されたことにより可能となった、被合併会社の株主に対して現金を対価として支払う合併のことです。
合併の対価として株式を交付することにより、合併会社の株主構成が大きく変化することを避ける場合などに利用されます。
自己株式の消却方法について教えてください。(2009/11/11)
旧商法等では株式の消却は、「任意消却」と「強制消却」がありましたが、会社法第178条で「株式会社は、自己株式を消却することができる。」とし自己株式の消却という制度のみに統一され、強制適用は廃止されました。
譲渡制限株式制度とはどのようなものですか。(2009/10/20)
譲渡制限株式とは、株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けている場合における当該株式をいう(会社法2条17号)。 旧商法では、会社が発行する株式に一定の譲渡制限を設けることは認められてきましたが、株式の一部について譲渡制限を設けることは認められておりませんでした。 新会社法では、一部の種類の株式についても譲渡制限ができるようになり、譲渡制限株式制度がより柔軟になりました。
会計参与制度について教えてください。(2009/10/13)
会計参与制度は、主に中小の株式会社の計算関係書類の記載の正確さに対する信頼を高めるための制度です。 会計参与は会社内部の機関で、税理士及び公認会計士とういう会計に関する専門家の有資格者が就任し、取締役や監査役と同様に株式会社の役員ですが、他の役員とは独立した立場を維持しつつ、①計算関係書類の取締役との共同作成義務、②会計参与報告の作成、③不正行為等の報告義務、④計算関係書類を承認する取締役会への出席義務、⑤計算関係書類について株主総会での説明義務、⑥計算関係書類及び会計参与報告の備置義務、⑦計算関係書類及び会計参与報告の開示義務を通じ、計算関係書類の記載の正確さに対する信頼を高め、株主・債権者の保護及び利便に資することを目的とするものです。
種類株式について教えてください。(2009/09/16)
会社法では、株式会社は内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができるとし、利益の配当、残余財産の分配などがあります(会社法第108条)。 下記に掲げる株式については、会社法により新たに導入されました。 ●当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。(取得請求権株式 会社法第108条1項5号) ●当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。(取得条項付株式 会社法第108条1項6号) ●当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること。(全部取得条項付株式 会社法第108条1項7号)
特別取締役制度とはどのようなものでしょうか。(2009/09/09)
従来、取締役の数が多く機動的に取締役会を開催することが困難であるような会社においては、取締役で組織する重要財産委員会で重要な財産の処分・譲受け、多額の借財について決議ができるようになっていました。しかし、あまり利用されていなかったため会社法では、重要財産委員会は廃止され、その代わり、特別取締役制度が新設されました。 取締役会とは別の機関という構成をとらず、取締役会が特別取締役を選任し、選任された特別取締役で重要な財産の処分・譲受け、多額の借財について決議ができるようになりました。 設置要件は、以下のとおりです。 (1)取締役設置会社であること(委員会設置会社を除く) (2)取締役の数が6名以上であること (3)取締役のうち1名以上が社外取締役であること (会社法第373条)
会社法の配当制限について教えてください。(2009/09/02)
旧商法では中間配当(取締役会の決議)と期末配当(定時株主総会の承認)の2回までとなっていましたが、会社法では株主総会の決議があればいつでも何回でも剰余金の配当が可能となりました(会社法第453条、第454条1項)。 ただし、その場合には分配可能額の計算が必要となりますので、その時点の財務諸表の作成が必要となります(会社法第461条1項)。 また、会社法では、以下の要件を満たす場合には、取締役会の決議で剰余金の配当が可能とされています(会社法第459条1項)。 (1)取締役会設置会社であり、かつ、会計監査人設置会社であること (2)取締役の任期の末日が選任後1年以内に終了する最後の事業年度に係る定時株主総会締結の日以前でること(取締役の任期が1年とした会社) (3)定款に剰余金の分配を取締役会決議で決定する旨があること (4)最終事業年度に係る計算書類が適正なものとして法務省令で定める要件に該当すること(会計監査報告が無限定適正意見である)
わが社は資本金1,000万円の非公開株式会社です。決算公告は不要ですよね?(2009/06/29)
株式会社は、有価証券報告書提出会社を除いて、規模の大きさにかかわらず定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければなりません【会社法第440条】。 公告を怠ると、100万円以下の過料が課せられます。公告方法は、定款に定めた①官報、②日刊紙、③電子公告による方法が認められています。①②の場合は要旨のみも認められます。③による場合は、5年間継続して行わなければなりません。
会社法では、子会社による親会社株式の取得は禁止されていますが、三角合併の対価として取得することは禁止されていないのでしょうか?(2009/06/11)
はい、確かに会社法135条では子会社による親会社株式の取得を禁止しておりますが、同法800条により、三角合併の対価として子会社が親会社株式を取得することは禁止されておりません。 ただしその場合、子会社が取得できる株式数は三角合併等により消滅会社等の株主に交付する親会社株式数以内に制限されておりますので注意が必要です。 また、親会社が外国会社の場合、外国の親会社は会社法上の株式会社ではないため、会社法135条1項による制限を受けずに、日本の子会社は親会社株式を取得することができます。 ただし、外国会社についても会社法2条2項(外国会社の定義)、会社法施行規則3条(子会社及び親会社の定義)、会社法施行規則2条3項2号(会社等の定義)によっては会社法の適用を受けることになりますのでこれもまた注意が必要です。
利益剰余金を取り崩すことにより資本金を増額することは可能なのでしょうか?(2009/06/03)
平成21年3月27日の会社計算規則の改正により、利益剰余金(利益準備金およびその他利益剰余金)の資本組入れが可能になりました(会社計算規則25条1項)。これにより、利益剰余金を取り崩すことにより資本金の額を増加させることが可能となりました。 なお、これを行う場合には株主総会の決議が必要となります(会社法448条、450条)。 また、資本金を増額することにより住民税の均等割の金額が増加したり、外形標準課税の対象(資本金の額が1億円超の会社が対象)となる可能性があるなど税務上の影響がありますので、十分ご留意いただければと思います。
社外取締役とはどのようなものなのでしょうか。(2009/05/19)
社外取締役とは、会社法第2条第15号にて「株式会社の取締役であって、当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又はその支配人その他の使用人でなく、かつ、過去に当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又はその支配人その他の使用人となったことがないもの」とされています。 社外取締役は、役員などと直接の利害関係が無く、役員として相当の知識を有する第三者が、独立した立場から関与することにより、業務執行機関に対する管理・監督機能を強化することを目的としています。
取締役の選任決議における累積投票とは何ですか。(2009/04/23)
累積投票とは、少数株主の経営参加を保護するための仕組みで、株主総会での取締役選任の際に、定款にこれによらない旨の定めが無い限り、株主の請求により採用されるものです(会社法第342条)。 累積投票では、2人以上の取締役の選任において、株主が有する株式1株につき、選任する取締役の数と同数の議決権が与えられます。具体的例は以下のとおりです。 発行済株式数10株(株主A:6株 株主B:3株 株主C:1株) 取締役候補3名(X、Y、Z)のうち2名を選任する場合の推薦状況 株主A:XとY 株主Bと株主C:Z 【累積投票によらない場合】 取締役候補Xの選任決議:株主Aのみが賛成=6対4で選任 取締役候補Yの選任決議:株主Aのみが賛成=6対4で選任 取締役候補Zの選任決議:株主BとCが賛成=4対6で不選任 【累積投票による場合】 株主にはそれぞれ有する株式につき選任される取締役の数(2名)と同数の議決権が与えられます。 各株主の議決権⇒株主A:6×2=12 株主B:3×2=6 株主C:1×2=2 取締役候補Xの選任決議:株主Aのみが賛成=得票数9で選任 取締役候補Yの選任決議:株主Aのみが賛成=得票数3で不選任 取締役候補Zの選任決議:株主BとCが賛成=得票数8で選任 累積投票では、株主は議決権を1名に集中して行使することも、数名に分散して行使することも認められていますが、得票数の多い順に選任されるため、結果として少数株主である株主Bと株主Cの意見が採用されることになります。
会社法の内部統制システムは、毎年取締役会で決議しなければならないのですか?
一度取締役会で内部統制システムの構築について決定すれば、それを取り消さない限り、次年度以降取締役会で決議をしなくても、会社法(348条4項、362条5項、416条2項)違反にはなりません。ただし、社会情勢の変化により会社を取り巻くリスクも変化しますので、新たなリスクに対応すべく内部統制システムを随時見直し、必要であれば新しい内部統制システムを決定することが必要になります。それを放置し続けた場合、取締役が善管注意義務違反に問われる可能性があるためです。
公開会社の機関設計について教えてください。
会社法上の機関設計のポイントは下記のとおりです。
① 株主総会、取締役の設置はすべての会社において必須
② 定款の定めによって取締役会、監査役、監査役会、委員会、会計監査人、会計参与を設置することができる
③ 委員会設置会社は監査役を設置することができない
④ 非公開の大会社は会計監査人を設置しなければならない
⑤ 公開大会社(委員会設置会社を除く)は監査役会及び会計監査人を設置しなければならない
なお、会社法上の公開会社とは「その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社【会社法2条5項】」をいい、取引所に上場している上場会社のみを指しているわけではありませんのでご留意ください。
当社取締役Aから4月7日付けで辞任届けを受領し、5月10日の取締役会で辞任が承認されました。当社の株主総会は6月25日です。この場合のA取締役の辞任の効力はいつから発生しますか?【取締役会設置会社】
取締役は、任期中いつでも辞任することができ、取締役会・株主総会の承認は不要です。従って、辞任の効力は辞任届の日付けに発生しますが、善意の第三者に対抗するためには取締役の退任に関する変更登記を行う必要があります。 また、辞任によって法定又は定款の員数を欠くことになる場合は、新任の取締役の就任まで権利義務を有します(会社法346条1項)のでご留意ください。
株主総会招集通知に記載していなかった議題(取締役の選任)を株主総会開催当日に議題として追加することは可能ですか。 その場合、どのような手続きをすればよいのでしょうか。【取締役会設置会社】
取締役会設置会社である貴社においては、原則として、招集通知に記載のない議案を決議することはできません(会社法309条5項、298条1項2号)。 ただし、例外として、株主全員の同意があった場合は、その議題について付議することは可能とされています(会社法300条)。 なお、株主全員の同意を得られない場合は、臨時総会を開催し、正規の手続で、取締役の選任に関する議題について決議しなければなりません。
当社は株式会社です。会社法では、会社に備え置かなければならない書類が多数あると聞いていますが、具体的にはどういった書類を備え置かなければならないのでしょうか?
会社法では、会社に備え置かなければならない書類、備え置く場所、備え置く期間等が規定されています。これらの備置書類は、株主等から閲覧等の請求があれば、当該株主等の閲覧等に供する必要があります。会社法で規定されている、会社に備え置かなければならない書類は下表のとおりです。
| 分類 | 条項 | 備置書類 | 備置場所 | 備置期間 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 定款 | 31条1項 | 定款 | 本店及び支店(*1) | 会社が継続する限り | |
| 創立総会 | 74条6項 | 創立総会における代理権を証明する書面及び代理権証明に関する電磁的記録 | 本店(*1) | 創立総会の日から3ヶ月間 | 議決権の代理行使があった場合のみ |
| 75条3項 | 創立総会議決権行使書面 | 本店(*1) | 創立総会の日から3ヶ月間 | 書面による議決権の行使があった場合のみ | |
| 76条4項 | 創立総会議決権行使の電磁的記録 | 本店(*1) | 創立総会の日から3ヶ月間 | 電磁的方法による議決権の行使があった場合のみ | |
| 81条2項 | 創立総会議事録 | 本店(*1) | 創立総会の日から10年間 | ||
| 82条2項 | 創立総会での提案に対する同意の意思表示をした書面又は電磁的記録 | 本店(*1) | 創立総会の決議があったものとみなされた日から10年間 | 書面決議の場合のみ | |
| 株主名簿 | 125条1項 | 株主名簿 | 本店(*2) | 会社が継続する限り | |
| 株券 | 231条1項 | 株券喪失登録簿 | 本店(*2) | 会社が継続する限り | |
| 新株予約権 | 252条1項 | 新株予約権原簿 | 本店(*2) | 会社が継続する限り | 新株予約権を発行している場合のみ |
| 株主総会 | 310条6項 | 株主総会における代理権を証明する書面及び代理権証明に関する電磁的記録 | 本店 | 株主総会の日から3ヶ月間 | 議決権の代理行使があった場合のみ |
| 311条3項 | 株主総会議決権行使書面 | 本店 | 株主総会の日から3ヶ月間 | 書面による議決権の行使があった場合のみ | |
| 312条4項 | 株主総会議決権行使の電磁的記録 | 本店 | 株主総会の日から3ヶ月間 | 電磁的方法による議決権の行使があった場合のみ | |
| 318条2項 | 株主総会議事録 | 本店 | 株主総会の日から10年間 | ||
| 318条3項 | 株主総会議事録(写し) | 支店 | 株主総会の日から5年間 | ||
| 319条2項 | 株主総会での提案に対する同意の意思表示をした書面又は電磁的記録 | 本店 | 株主総会の決議があったものとみなされた日から10年間 | 書面決議の場合のみ | |
| 取締役会 | 371条1項 | 取締役会議事録 | 本店 | 取締役会の日から10年間 | 取締役会設置会社のみ |
| 371条1項 | 取締役会での提案に対する同意の意思表示をした書面又は電磁的記録 | 本店 | 取締役会の決議があったものとみなされた日から10年間 | 取締役会設置会社かつ書面決議の場合のみ(書面決議ができる旨を定款に定める必要あり) | |
| 会計参与 | 378条1項1号 | 各事業年度に係る計算書類及びその附属明細書並びに会計参与報告 | 会計参与が定めた場所 | 定時株主総会の日の1週間前の日から5年間(*3)(*4) | 会計参与設置会社のみ |
| 378条1項2号 | 臨時計算書類及び会計参与報告 | 会計参与が定めた場所 | 臨時計算書類を作成した日から5年間(*3)(*4) | 会計参与設置会社のみ | |
| 監査役会 | 394条1項 | 監査役会議事録 | 本店 | 監査役会の日から10年間(*3)(*4) | 監査役会設置会社のみ |
| 委員会 | 413条1項 | 委員会議事録 | 本店 | 委員会の日から10年間 | 委員会設置会社のみ |
| 計算書類等 | 442条1項1号 | 各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(*5) | 本店 | 定時株主総会の日の1週間前の日から5年間(*3)(*4) | |
| 442条1項2号 | 臨時計算書類(*5) | 本店 | 臨時計算書類を作成した日から5年間 | ||
| 442条2項1号 | 各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(*5) | 支店 | 定時株主総会の日の1週間前の日から3年間(*6)(*7) | ||
| 442条2項2号 | 臨時計算書類(*5) | 支店 | 臨時計算書類を作成した日から5年間 | ||
| 社債 | 684条1項 | 社債原簿 | 本店 | 会社が継続する限り | 社債を発行している場合のみ |
| 731条2項 | 社債権者集会議事録 | 本店 | 社債権者集会の日から10年間 | 社債を発行している場合のみ | |
| 組織再編 | 775条1項 | 組織変更計画に関する書面等 | 本店 | 組織変更計画備置開始日(*8)から組織変更がその効力を生ずる日まで | 組織変更を行う場合のみ |
| 782条1項 | 吸収合併契約等に関する書面 | 本店(*9) | 吸収合併契約等備置開始日(*10)から吸収合併等がその効力を生ずる日後6ヶ月を経過する日まで(*11) | 吸収合併等を行う場合のみ | |
| 791条2項 | 吸収分割又は株式交換に関する書面等 | 本店(*12) | 効力発生日から6ヶ月間 | 吸収分割又は株式交換を行う場合のみ | |
| 794条1項 | 吸収合併契約等に関する書面 | 本店(*13) | 吸収合併契約等備置開始日(*10)から吸収合併等がその効力を生ずる日後6ヶ月を経過する日まで | 吸収合併等を行う場合のみ | |
| 801条3項 | 吸収合併等に関する書面等 | 本店(*13) | 効力発生日から6ヶ月間 | 吸収合併等を行う場合のみ | |
| 803条1項 | 新設合併契約等に関する書面等 | 本店(*14) | 新設合併契約等備置開始日(*15)から設立会社の成立の日後6ヶ月を経過する日まで | 新設合併等を行う場合のみ | |
| 811条2項 | 新設分割又は株式移転に関する書面等 | 本店(*16) | 設立会社の成立の日から6ヶ月間 | 新設分割又は株式移転を行う場合のみ | |
| 815条3項 | 新設合併契約等に関する書面等 | 本店(*17) | 設立会社の成立の日から6ヶ月間 | 新設合併等を行う場合のみ |
会計監査人設置会社以外の会社で監査役・監査役会設置会社の会社法決算スケジュールを教えて下さい。
《監査役の監査対象》
◆計算書類(貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・個別注記表)
◆その他付属明細書
◆事業報告
◆その他付属明細書
となります。
《スケジュール》
「特定取締役」および「特定監査役」とはだれのことを指すのでしょうか?
計算書類関係の監査と事業報告等の監査で次のように整理されます。
| 特定取締役 | 特定監査役 | |
|---|---|---|
| 計算書類関係の監査の場合 | 会計監査報告の内容の通知を受ける者を定めた場合はその者、定めていない場合は監査を受けるべき計算書類関係の作成に関する職務を行った取締役を指します(会社計算規則158条4項) | 監査役会が会計監査報告の内容の通知を受ける監査役を定めた場合は当該監査役、定めていない場合は全ての監査役を指します(会社計算規則158条5項) |
| 事業報告等の監査の場合 | 監査報告の内容の通知を受ける者を定めた場合はその者、定めていない場合は事業報告およびその付属明細書の作成に関する職務を行った取締役を指します(会社法施行規則132条4項) | 監査役会が監査報告の内容の通知をすべき監査役を定めた場合は当該監査役、定めていない場合は全ての監査役を指します(会社法施行規則132条5項) |
会社法上の非公開会社は、株主総会招集通知をいつまでに発送すればよいか?
書面による議決権行使(会社法298条1項3号)、電磁的方法による議決権行使(会社法298条1項4号)のどちらかの方法により議決権の行使ができる旨を定めた場合には2週間前、そうでない場合には1週間前に発送が必要です。ここで、上記2つの方法により議決権の行使ができる旨は、招集通知に明記することにより定めます。
また、一般的に、欠席株主が議決権を行使する方法には、
(1) 書面による議決権行使(会社法298条1項3号)
(2) 議決権の代理行使(会社法310条1項)
の方法がありますが、上述の通り、(1)の方法による場合は、2週間前に招集通知の発送が必要です。
従って、招集通知を1週間前に発送した場合の欠席株主は、(2)の方法(代理権を証する書面(委任状))により議決権を行使することになります。
会社分割について、新設分割と吸収分割の違いを教えて下さい。
会社分割に当たっては、分割対象の純資産を分割の相手方に承継することになりますが、この相手方が、新たに設立する会社の場合を新設分割、既存の会社の場合を吸収分割と言います。新設分割は、新たに子会社を設立する場合など、自社グループ内で分割が完結する場合が多く、一方吸収分割は、グループ外の既存の他社との純資産の受け渡しとなることもあります。大きな違いのひとつは、承継対象の純資産を新設分割の場合は分割元会社が決定することになるのに対し、吸収分割の場合は、既存の承継先企業との合意により決定する点です。
組織再編/M&Aコンサルティング
商品の代金として当社振り出しの約束手形の裏書を受けました。仕訳はどうなりますか?そもそも裏書とはどういうものですか?(2009/11/30)
手形は支払期日になれば現金化できますが、支払期日前の手形を自社の債務の支払手段として、譲渡することができます。この手形の譲渡の方法として「裏書」が行われます。 裏書とは文字通り、手形の裏に自社の社名等を記載して行われます。 また、自社が振り出した手形を裏書された場合の仕訳は、受取手形勘定を用いるのではなく、借方が支払手形勘定となります。(振り出したときに支払手形勘定で計上するため) (借)支払手形 100,000 / (貸)売上 100,000
当社は3月決算のホールディングカンパニーなのですが、保有する土地建物を事業子会社に営業所として多数賃貸しています。営業所は全国に多数存在し、物件数はかなりの多数に上ります。当期末から要求される賃貸等不動産の時価等の開示がかなりの件数にのぼり大変なのではないかと危惧しておりますが、大丈夫でしょうか?(2009/11/26)
賃貸等不動産の時価等の開示は連結ベースでの開示となります。ですので、仮にホールディングスの賃貸が連結子会社に対してのみで、かつ、連結子会社で不動産の賃貸を行っていなければ開示は不要となります。一方、グループ外への賃貸も行っている場合は、当該賃貸物件の連結財務諸表における重要性を勘案して開示の要否を検討することとなります。
法人税、住民税、事業税のうち事業税だけ税効果の対象とするのはなぜですか。(2009/11/24)
法人税法において、法人税、住民税は損金算入が認められていませんが、事業税は損金算入が認められています。ただし、損金算入の時期は納税申告書を提出した事業年度となるため、税効果の対象となります。
敷金の償却について教えてください。(2009/11/18)
会社が事務所を借りる場合に貸主に担保目的で保証金(または敷金とよばれます)を差し入れることがあります。敷金は解約時に返還されますが、原状回復費などの名目で無条件に一定額が返還されないことがあります。これを「敷金償却」または「敷引き」などといい、返還されない部分については解約時に戻ってきませんので会計上、長期前払費用として処理する必要があります。
アキュムレーションとは何ですか?(2009/10/15)
債券を額面より安く取得した場合、額面と取得価格の差額を収益として保有期間で均等に配分し、簿価を上げる処理のことを言います。
アモチゼーションとは何ですか?(2009/10/07)
債券を額面より高く取得した場合、額面と取得価格の差額を費用として保有期間で均等に配分し、簿価を下げる処理のことを言います。
最近オフィスビルの空き室防止のため増加しているフリーレントという契約・会計処理等について教えてください。(2009/10/05)
フリーレント契約とはアメリカで旧借り手と新借り手の賃料の二重払いの発生を回避するために行われたと言われており、日本では借り手がなかなかつかないオフィス等の空室を埋めるために一定の期間解約しないことを条件に数ヶ月間の賃料を無料とする契約形態です。 貸し手側の会計処理としては以下の点について留意する必要があります。 契約書に解約について明記されている場合は、フリーレント期間終了後に賃料収入を計上する。契約書に賃貸期間は解約ができないことが明記されている場合は、フリーレント期間も賃料収入を計上など売上計上のタイミングが異なるとことが考えますので、具体的な会計や税務処理については、会計の専門家(公認会計士・税理士等)にご相談ください。
在外子会社等の財務諸表の換算方法について教えてください。(2009/09/28)
外国にある子会社又は関連会社の外国通貨で表示されている財務諸表の換算方法は、次のとおりになります。 1.資本及び負債 決算時の為替相場(決算日レート)で換算します。 2.資本 親会社による株式の取得時については、取得時の為替相場(取得日レート)で換算します。 親会社による株式の取得後については、発生時の為替相場(発生日レート)で換算します。 3.収益及び費用 原則として期中平均相場(期中平均レート)。決算日レートによる円換算額を付すことも認められています。 ≪為替レートの適用順位≫ ①損益計算書を期中平均レートにより計算します。 ②株主資本等変動計算書へ当期利益を転記、貸借対照表へ転記します。 ③資本金を取得日レートにより計算します。 ④貸借対照表を決算日レートにより計算します。 ①~④により換算した結果生じた差額については、「為替換算調整勘定」として在外子会社の貸借対照表の純資産の部に計上します。
金利スワップの特例処理とは何ですか?(2009/09/08)
金利スワップの特例処理とは、一定の条件の下、金利スワップを時価評価せずに金銭の受払の純額を当該資産又は負債に係る利息に加減する処理です【金融商品に関する会計基準注解14】。 一定の条件とは、金利スワップが金利変換の対象となる資産又は負債とヘッジ会計の要件を満たしており、かつ、想定元本、利息の受払条件(利率、利息の受払日等)及び契約期間が当該資産又は負債とほぼ同一でであることであり、より具体的な要件は、【金融商品会計に関する実務指針178項、金融商品会計に関するQ&A】より下記のとおりとなります。 ①金利スワップの想定元本と貸借対照表上の対象資産又は負債の元本金額がほぼ一致していること ※ほぼ一致:5%以内の差異 ②金利スワップとヘッジ対象資産又は負債の契約期間及び満期がほぼ一致していること ※ほぼ一致:5%以内の差異 例)10年の金利スワップであれば6ヵ月、5年の金利スワップであれば3ヵ月の際までは許容されます。 ③対象となる資産又は負債の金利が変動金利である場合には、その基礎となっているインデックスが金利スワップで受払される変動金利の基礎となっているインデックスとほぼ一致していること ※直近の一定期間についてTIBORとLIBORが高い相関関係を示していることが確認されている場合には、ほぼ一致しているものとして扱うことが可能 ④金利スワップの金利改定のインターバル及び金利改定日がヘッジ対象の資産又は負債とほぼ一致していること ※ほぼ一致:最大でも3ヵ月以内 ⑤金利スワップの受払条件がスワップ期間を通して一定であること(同一の固定金利及び変動金利のインデックスがスワップ期間を通して使用されていること) ⑥金利スワップに期限前解約オプション、支払金利のフロアーまたは受取金利のキャップが存在する場合には、ヘッジ対象の資産又は負債に含まれた同等の条件を相殺するためのものであること
退職給付債務を算定する際に用いる割引率は、安全性の高い長期の債券の利回りを基礎として決定するとされていますが、「長期」とは、具体的にはどのくらいの期間を指すのでしょうか?(2009/08/20)
退職給付債務の計算において割引率を設定する場合の「安全性の高い長期の債券」には、長期の国債、政府機関債のほかに、例えば複数の格付機関よりダブルA相当以上を得ている社債等が含まれます。この場合における、「長期」とは、退職給付の見込支払日までの平均期間を原則としますが、実務上は従業員の平均残存勤務期間に近似した年数とすることもできます。実務においては、従業員の平均残存勤務期間に近似した年数としているケースが多いようです。例えば、従業員の平均残存勤務期間が12年であったとした場合に、10年国債の利回りを割引率として用いるといったことが、これに当たります。
親会社と子会社の決算日が異なる場合の連結手続について教えてください。(2009/08/19)
連結財務諸表に関する会計基準第16項に、「子会社の決算日が連結決算日と異なる場合には、子会社は、原則として連結決算日に正規の決算に準ずる合理的な手続により決算を行う。なお、子会社の決算日と連結決算日の差異が3か月を越えない場合には、子会社の正規の決算を基礎として連結決算を行うことができる。ただし、この場合には、子会社の決算日と連結決算日が異なることから生じる連結決算会社間の取引に係る会計記録の重要な不一致について、必要な整理を行うものとする」とあります。
退職給付会計で言われる「回廊アプローチ」と「重要性基準」とはどういうものですか?(2009/08/13)
「回廊アプローチ」と「重要性基準」は数理計算上の差異の認識に際して使われる基準のことです。
「回廊アプローチ」とは、毎期退職給付債務を厳密に計算するものの(重要性がなくても計算基礎の変動を考慮する)、数理計算上の差異について、一定の範囲内は認識しない取扱いのことを言います。すなわち、年金資産の期待運用収益と実際の運用成果との差異や退職給付債務の数理計算に用いた見積数値と実績との差異及び見積数値の変更等により発生した差異について、差異が一定の範囲内にあれば認識しないことになります。
一方、「重要性基準」とは、基礎率等の計算基礎に重要な変動が生じない場合には計算基礎を変更しない等、計算基礎の決定にあたって重要性による判断を認める方法のことを言います。この場合、計算基礎に重要な変動が生じていなければ従前と同じ計算基礎で退職給付債務を計算することになりますが、その結果、数理計算上の差異が生じていれば少額でも差異を認識することとなります。
上記のうち、日本基準は「重要性基準」を採用しています。一方、IFRSでは「回廊アプローチ」が採用されています。
平成20年7月31日の「退職給付に係る会計基準」の注6についての改正がなされた際に、「重要性基準」の見直しについても議論されましたが、本改正においては「重要性基準」については維持されることとなりました。
ただし、今後のIFRS導入を見据えると「回廊アプローチ」にも留意しておく必要があるでしょう。
セール・アンド・リースバック取引とはどういう取引ですか? また、どのような会計処理をするのですか?(2009/08/06)
セール・アンド・リースバック取引とは、所有する物件を貸手に売却し、貸手から当該物件のリースを受ける取引をいいます。 【ファイナンス・リース取引に該当するか否かの判定】 セール・アンド・リースバック取引がファイナンス・リース取引に該当するか否かの判定は、通常のリース取引におけるファイナンス・リース取引の判定とほぼ同様ですが、 経済的耐用年数とリース物件の見積現金購入価額については留意が必要です。 経済的耐用年数については、リースバック時におけるリース物件の性能、規格、陳腐化の状況等を考慮して見積った経済的使用可能予測期間を用います。 また、リース物件の見積現金購入価額については、実際売却価額を用います。 【ファイナンス・リース取引と判定されたセール・アンド・リースバック取引に係る会計処理】 ファイナンス・リース取引と判定されたセール・アンド・リースバック取引のうち、リース取引については、通常のファイナンス・リース取引と同様の会計処理を行いますが、セール、つまり、貸手への売却に係る売却損益の会計処理については留意が必要です。 <売却益の場合> 売却益は、長期前受収益等として繰延処理し、リース資産の減価償却費の割合に応じて各期の減価償却費から減算する処理をします。 <売却損の場合> 売却損は、長期前払費用等として繰延処理し、リース資産の減価償却費の割合に応じて各期の減価償却費に加算する処理をします。 ただし、売却損が、当該物件の合理的な見積市場価額が帳簿価額を下回ることにより生じたものであることが明らかな場合は、売却時の損失として処理します。
みなし取得とはなんですか?(2009/07/28)
みなし取得とは、子会社株式の取得が子会社の決算日以外の日に行われたときに、取得日の前後いずれかの子会社決算日に行われたものとみなすことをいいます(連結財務諸表に関する会計基準)。 また、取得日の違いによって連結財務諸表に取り込む子会社の財務諸表は下記のとおりとなります。
| 支配獲得日 | PL | BS |
|---|---|---|
| 当期首 | 年間PL | 期末BS |
| 上期末 | 下期PL | 期末BS |
| 下期首 | 下期PL | 期末BS | 当期末 | 除外 | 期末BS |
よく不正取引に利用される「Uターン取引」とは、どのような取引をいうのでしょうか?(2009/07/17)
Uターン取引とは、自社が起点及び終点となってその間に商社的な取引が行われ、最終的に自社が販売した商品・製品等が複数の企業を経由して自社に戻り、在庫又は償却資産として保有されるケースを言います。 また、販売した商品・製品等がそのままではなく、開発作業が加えられるケースもあります。 更に、自社が外注先に発注した開発行為の全部または一部を当該外注先から、又は当該外注先の外注先から再び自社で受注している、つまりは、開発行為そのものがUターンしているケースもあります。
当社では営業担当者に対して交際費の削減の目的で毎月一定額(上限を設定)の資金を渡しており、特に精算はおこなっておりません。この場合の費用処理はどのようになりますか。(2009/06/30)
交際費等とは、交際費、接待費、機密費、その他の費用で法人がその得意先、仕入先その他事業に関係ある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものをいいますが、主として次に掲げるような性質を有するものは交際費等には含まれないこととされています。 (1)寄付金 (2)値引き及び割戻し (3)宣伝広告費 (4)福利厚生費 (5)給与等 役員や従業員に対して機密費、接待費、交際費、旅費等の名義で支給したもののうち、その法人の業務のために使用したことが明らかでないものについては、給与となります。 ご質問では、渡し切りで特に精算をされていないようですので、会社の業務に使用されたものであるかどうかの判断ができません。そのため交際費ではなく給与として費用処理することになると考えられます。 法人税法基本通達9-2-10(9) 法人税法基本通達9-2-16 租税特別措置法基本通達61の4(1)-1 租税特別措置法基本通達61の4(1)-12
当社は今後海外向けに製品の販売を検討しておりますが、輸出取引においてどの時点で売上を計上すればよいのかがわかりません。教えてください。(2009/06/17)
輸出取引における売上計上基準としては、下記のような基準が考えられます。
①出荷基準
②通関基準
③船積基準
①出荷基準
倉庫や工場から商品や製品を出荷した日に売上を計上する方法です。出荷の事実を記載した出荷報告書等に基づき売上を計上することになります。
②通関基準
商品や製品の通関手続が完了した時点で売上を計上する方法です。この場合、通関日(税関が輸出を許可した日)が売上計上日となります。輸出許可書等に基づき売上を計上することになります。
③船積基準
商品や製品の船積みが完了した時点で売上を計上する方法です。この場合、船荷証券(B/L:Bill of Lading)に基づき船荷証券の日付で売上を計上することになります。
上記のうち、①出荷基準は出荷から引渡し(通常は船積み時点)までに時間がかかる輸出取引の特性から、好ましくないと考えられます。②通関基準および③船積基準はいずれも売上についての客観的な証憑が存在するため合理的といえますが、輸出取引における代表的な取引条件であるFOB(本船渡し条件:Free on Board)・CIF(運賃・保険料込み条件:Cost,Insurance and Freight)・CFR(運賃込み条件:Cost and Freight)における所有権の移転時期が船積完了時点であることから、収益の実現という観点からは③船積条件により売上を計上することが最も好ましいと考えられます。
海外出張者に対する出張手当の会計処理について教えてください。(2009/06/12)
法人税法基本通達9-7-6では、「海外渡航が当該法人の業務の遂行上必要なものであり、かつ、当該渡航のための通常必要と認められる部分の金額に限り、旅費としての法人の経理を認める。」とされています。また、所得税法9条第1項第4号により、通常必要と認められるものであれば非課税となります。
通常必要と認められる額以上または必要と認められないものについては原則給与として処理します。
当社は各種システムの受託開発をしております。お客様から正式な受注をいただく前に既に開発活動を開始しコストが発生するのが通例なのですが、受注前の開発活動にかかったコストは仕掛品に計上すべきなのでしょうか?それとも販管費に計上すべきなのでしょうか?(2009/06/10)
システム開発においては、お客様への営業活動や仕様の提案等を行ったあと、正式な受注をする前に開発活動へ入ってしまうということがよく見られるようです。この場合の受注前にかかったコストの会計処理をどのようにすべきかという点については、基本的には下記のような認識をしておいていただければと思われます。 ・受注前の営業活動(仕様の提案等)にかかったコスト:販管費 ・受注前の開発活動にかかったコスト:「受注がほぼ確実になった時点」をいつにするかによって変わってくる ここで、「受注がほぼ確実となった時点」をいつにすべきかについては、会社内で基準を設ける必要があります。なぜなら、「受注がほぼ確実となった時点」がいつであるかにより費用の期間帰属が変わるため、基準を設けず毎回場当たり的に「受注がほぼ確実となった時点」を決めるとすれば、恣意的に利益を操作することができてしまい妥当でないからです。「受注がほぼ確実となった時点」としては、下記のような時点とすることが考えられます。 ・社内でプロジェクト開始の決裁(営業活動が終わり開発活動に入ることについての決裁)をした時点 ・先方に最終の見積書を提出した時点 ・実際に契約を締結した時点 上記のうち、どこを「受注がほぼ確実になった時点」とするかはそれぞれの会社の判断となります。 そのうえで、受注前にかかったコストの会計処理については下記のような認識をしていただけるとよいと思われます。 ・「受注がほぼ確実になった時点」以前にかかったコスト:販管費 ・「受注がほぼ確実になった時点」以降にかかったコスト:原価(売上計上前は仕掛品) また、税務上もほぼ同様の認識をしておいていただけるとよいでしょう。 ・「受注がほぼ確実になった時点」以前にかかったコスト:販管費(かかった期の損金) ・「受注がほぼ確実になった時点」以降にかかったコスト:原価(かかった期の損金)ただし、期末時点でプロジェクトが仕掛中(売上計上未了)の場合は仕掛品として資産計上 ここでご留意いただきたいのが、期末時点でプロジェクトが仕掛中(売上計上未了)の場合に形式的に契約書を取り交わした時点からかかったコストを仕掛品計上していると、税務上リスクとなる可能性(契約締結前にかかったコストを損金処理している場合に否認される可能性)がある点です。 特に、開発活動に入った時点と契約が締結された時点とに乖離がある場合に形式的に契約書を取り交わした時点からかかったコストを仕掛品計上していると、税務上のリスクが高くなると思われますのでご留意いただければと思います。
売掛金の消滅時効って5年ですか?(2009/05/28)
民法や商法には債権の消滅時効についての規定があります。そこでは一般債権は原則10年、商事債権は原則5年と定められています。売掛金は商事債権ですから時効は5年かというと実はそうではありません。 商法には「他の法令に五年間より短い時効期間の定めがあるときは、その定めるところによる」という規定があります。そして民法において「生産者、卸売商人又は小売商人が売却した産物又は商品の代価に係る債権」は2年で時効になると規定されているのです。ですから、売掛金の時効は2年と言うことになります。 ただ、どのような売掛金でも2年で時効になるのかといえば、そうではありません。民法には「時効の中断」という規定がありまして、相手が債務の承認をしたり法的措置などの強い請求を行った場合は時効が中断されます。
電子記録債権とはどういうものでしょうか?また、会計処理はどうなるのでしょうか?(2009/05/12)
電子記録債権とは、その発生又は譲渡について、電子記録(磁気ディスク等をもって電子債権記録機関が作成する記録原簿への記録事項の記録)を要件とする金銭債権です。電子記録債権は、当事者間の合意のみで発生したり譲渡の効力が生じたりする指名債権と異なり、電子記録債権の発生や譲渡については、手形の作成、交付、裏書と同様に、発生記録や譲渡記録という当事者間の合意以外の行為が必要であり、手形債権と同様に、原則として善意取得や人的抗弁の切断の効力が認められるもので、流動性を高めつつ、その取引の安全を確保することが趣旨です。 上記のように、電子記録債権は、紙媒体ではなく電子記録により発生し譲渡され、分割が容易に行えるなど、手形債権とは異なる側面があるものの、手形債権の代替として機能することが想定されており、会計処理上も、今後も並存する手形債権に準じて取り扱うことが適当であると考えられます。 平成21年4月9日に企業会計基準委員会(ASBJ)から公表された実務対応報告第27号「電子記録債権に係る会計処理及び表示についての実務上の取扱い」(以下、「本実務対応報告」)では、上記のような考え方を踏まえ、貸借対照表上、手形債権が指名債権とは別に区分掲記される取引(たとえば売掛金や買掛金等)に関しては、電子記録債権についても指名債権とは別に区分掲記することとされ、「電子記録債権」等、電子記録債権を示す科目をもって表示するとされています。このため、発生記録により売掛金に関連して電子記録債権を発生させた場合には、電子記録債権を示す科目に振り替えるとされています。また、譲渡記録により当該電子記録債権を譲渡する際に、保証記録も行っている場合には、受取手形の割引高又は裏書譲渡高と同様に、財務諸表に注記を行うこととされています。 ただし、貸付金や借入金等については、現行の企業会計上、証書貸付や手形貸付等に区分掲記せずに「貸付金」「借入金」等として表示していることから、それらに関連して電子記録債権が発生しても手形債権に準じて取り扱うため、科目は振り替えないことになります。 また、手形債権が指名債権とは別に区分掲記される取引であっても、重要性が乏しい場合には、電子記録債権を区分掲記ではなく手形債権に含めて表示することができるとされています。 なお、「本実務対応報告」は公表日(平成21年4月9日)からの適用となります。
会計監査人の監査報告書が出された後に重要な得意先が倒産してしまいました。(なお、株主総会開催の前です)。この場合、期末現在の当該得意先に対する売掛金について破産更生債権に振り替えるとともに貸倒引当金を積み増すといった処理を行う必要があるでしょうか?なお、当社は会計監査人設置の上場会社です。(2009/04/30)
お問い合わせの事象は重要な後発事象に該当すると考えられます。当該事象を修正後発事象として取り扱うか、開示後発事象として取り扱うかが論点になりますが、この点につき会社法上の取扱いと金融商品取引法上の取扱いとに分けて回答いたします。 <<会社法上の取扱い>> 会計監査人の監査報告書が出された後に得意先が倒産した場合、既に会計監査人の監査報告書が出されているため、期末現在の当該得意先に対する売掛金について破産更生債権に振り替えるとともに貸倒引当金を積み増すといった計算書類の修正は実務上困難です。したがって、監査役が監査報告書に当該事象に関する内容を記載することになります。また、得意先の倒産が監査役の監査報告書が出された後であった場合は、計算書類の修正も監査報告書での開示も事実上不可能ですので、株主総会において取締役から説明するという対応をとるべきこととなります。 <<金融商品取引法上の取扱い>> 計算書類との整合性等の観点から、財務諸表の修正は実務上困難です。したがって、財務諸表において開示後発事象として注記することになります。
当社は小売業を営んでおり、期末の棚卸資産の評価方法として売価還元平均原価法を採用しています。売価還元平均原価法を採用している場合、「棚卸資産の評価に関する会計基準」のもとでは期末の棚卸資産の評価はどのように行えばよいのでしょうか?(2009/04/21)
売価還元平均原価法を採用している場合でも、棚卸資産の期末における正味売却価額(棚卸資産の値入率又は回転率の類似性に基づくグループの売価合計額から見積販売直接経費を控除した金額)が帳簿価額よりも下落しているときには、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額とする必要があります(「棚卸資産の評価に関する会計基準」13項及び54項)。
《図1》
【売価還元平均原価法の原価率】
ただし、値下額等が期末棚卸資産の売価合計額に適切に反映されている場合には、売価還元低価法の原価率の適用により算定された期末棚卸資産の帳簿価額は、収益性の低下に基づく帳簿切下額を反映したものとみなすことができるとされ(「棚卸資産の評価に関する会計基準」13項及び55項)、売価還元低価法による期末棚卸資産の評価も認められています。
【売価還元低価法の原価率】
最近、人件費関係の経理処理担当となりました。そこで、労働保険料の経理処理について教えてください。
まず、「労働保険料」は、大きく「雇用保険料」と「労災保険料」に分かれます。 「雇用保険料」は、本人と使用者(事業主)両方で負担しますが、「労災保険料」は全額使用者負担となります。 また、労働保険料は1年分(4月分-翌年3月分)を概算保険料として支払、翌年7月10日までに概算保険料と確定保険料との差額と翌年度の概算保険料を納付します。 例)今期の概算保険料200,000円の場合 <<納付時>> 納付時に従業員の保険料を立て替え及び使用者負担分の前払いしたものとして仕訳します。
| (借方) | (貸方) |
|---|---|
| 立替金                                                   70,000 前払費用                                               130,000 | 当座預金                                              200,000 |
| (借方) | (貸方) |
|---|---|
| 給与                                                    200,000 | 当座預金                                              199,000 立替金 (雇用保険料_従業員)                                  1,200 |
| (借方) | (貸方) |
|---|---|
| 法定福利費(雇用保険料)                              1,000 法定福利費(労災保険料)                              3,000 | 前払費用                                                 4,000 |
| (借方) | (貸方) |
|---|---|
| 法定福利費(労災保険料)                            10,000 立替金*                                                 36,750 前払費用*                                             173,250 | 当座預金                                              220,000 |
| (借方) | (貸方) |
|---|---|
| 立替金*                                                 33,250 前払費用*                                             156,750 | 当座預金                                              180,000 立替金                                                    3,500 前払費用                                                 6,500 |
当社(公開企業)では子会社を吸収合併することを検討しておりますが、親会社が子会社を吸収合併した際の会計処理はどのようになりますでしょうか?
・親会社が合併にあたり受け入れる資産・負債は、子会社において合併期日の前日に付された適正な帳簿価額により計上します。株主資本については親会社持分相当額と少数株主持分相当額に按分して処理を行います。 ・親会社が作成する連結財務諸表において当該子会社の純資産等の帳簿価額を修正しているときは、個別財務諸表上もその修正後の帳簿価額により資産および負債を受け入れます。 ・合併に際し個別財務諸表上計上された抱合せ株式消滅差損益は、連結財務諸表上は、過年度に認識済みの損益であるため、利益剰余金と相殺消去します。 以下、具体例で説明します。 ①P社(公開企業)は、×1年3月31日にS社の株式80%を5,000で取得し、子会社とした。株式取得時のS社の貸借対照表は次のとおりである。
| S社個別貸借対照表 | |||
|---|---|---|---|
| 諸資産 | 12,000 | 諸負債 | 7,000 |
| 資本金 | 5,000 | ||
| 合計 | 12,000 | 合計 | 12,000 |
| P社個別貸借対照表 | |||
|---|---|---|---|
| 諸資産 | 20,000 | 諸負債 | 9,000 |
| S社株式 | 5,000 | 資本金 | 10,000 |
| 利益剰余金 | 6,000 | ||
| 合計 | 25,000 | 合計 | 25,000 |
| S社個別貸借対照表 | |||
|---|---|---|---|
| 諸資産 | 14,000 | 諸負債 | 7,000 |
| 資本金 | 5,000 | ||
| 利益剰余金 | 2,000 | ||
| 合計 | 14,000 | 合計 | 14,000 |
| P社連結貸借対照表 | |||
|---|---|---|---|
| 諸資産 | 34,000 | 諸負債 | 16,000 |
| のれん(*1) | 800 | 資本金 | 10,000 |
| 利益剰余金(*2) | 7,400 | ||
| 少数株主持分(*3) | 1,400 | ||
| 合計 | 34,800 | 合計 | 34,800 |
| (借) | 諸資産(80%)(*4) | 11,200 | (貸) | 諸負債(80%)(*4) | 5,600 |
| のれん(*5) | 800 | S社株式 | 5,000 | ||
| 抱合せ株式消滅差益(*6) | 1,400 | ||||
| (借) | 諸資産(20%)(*4) | 2,800 | (貸) | 諸負債(20%)(*4) | 1,400 |
| のれん(*8) | 600 | その他資本剰余金(*7) | 2,000 |
| ・ | 親会社持分相当額 | (資産) | 14,000×80%=11,200 |
| (負債) | 7,000×80%=5,600 | ||
| ・ | 少数株主持分 | (資産) | 14,000×20%=2,800 |
| (負債) | 7,000×20%=1,400 |
| P社個別貸借対照表 | |||
|---|---|---|---|
| 諸資産 | 34,000 | 諸負債 | 16,000 |
| のれん | 1,400 | 資本金 | 10,000 |
| 資本剰余金 | 2,000 | ||
| 利益剰余金 | 7,400 | ||
| 合計 | 35,400 | 合計 | 35,400 |
当社は、連結子会社の所有株式の全部を外部の第三者へ売却しました。個別財務諸表上の売却損益と連結財務諸表上の売却損益の違いについて教えてください。
支配獲得後に子会社株式の全部又は一部を売却した場合、連結財務諸表上の売却簿価は、個別財務諸表上の売却簿価ではなく、子会社資本の親会社持分額のうち売却した株式に対応する部分とのれん未償却額のうち売却した株式に対応する部分との合計額(差引額)となるため、この金額と個別財務諸表上の売却簿価との差額を個別財務諸表に計上した子会社株式売却損益の修正として処理する。(会計制度委員会報告第7号「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」) つまり、親会社からみて、子会社になってから現在までの子会社の損益のうち、親会社持分相当額が売却損益修正額になります。 のれんの未償却額はないものと仮定すると下記のようになります。 <個別財務諸表上の売却損益> 売却価額-取得価額=売却損益 <連結財務諸表上の売却損益> 売却価額-(取得価額+当該子会社の取得後利益剰余金×議決権割合) =連結上の売却損益
最近、人件費関係の経理処理担当となりました。そこで社会保険料の経理処理について教えて下さい。
まず、「社会保険料」は、大きく「健康保険料」と「厚生年金保険料」に分かれます。 それぞれ、本人と事業主が折半で負担します。 <<給与支払時>> 本人負担分は、給与から天引きして預かる仕訳となります。 一方、事業主負担分は、会社にとって費用となるため、下段の仕訳となります。 注)ただし、一部「児童手当拠出金」のように事業主負担のみのものもありますので、納付書をご確認下さい。
| (借方) | (貸方) |
|---|---|
| 給与                                                  200,000 | 当座預金                                             176,450 預り金(健康保険料)                                   8,200 預り金(厚生年金保険料)                            15,350 |
| 法定福利費(健康保険料)                            8,200 法定福利費(厚生年金保険料)                     15,350 | 未払金                                                  23,550 |
| (借方) | (貸方) |
|---|---|
| 預り金(社会保険料)                                 23,550 未払金                                                 23,550 | 当座預金                                               47,100 |
会社が従業員から特許や発明考案などの権利を承継する際には、従業員に対して相当の対価を支払う必要があるかと思いますが、著作権についても同様に従業員に対して相当の対価を支払う必要があるのでしょうか?
次に掲げる要件を全て満たす場合にかぎり創作活動を行う個人以外が著作者となる(会社などが著作者となる)場合が法律により定められてます。(著作権法第15条) ①その著作物を作る企画を立てるのが法人等であること ②法人等の業務に従事する者の創作によること ③職務上作成されること ④公表するときに法人等の名義で公表されること ⑤契約や就業規則に職員を著作者とする定めがないこと ※法人等=法人その他の使用者(会社や国など、職員の雇用・管理者) なお、プログラムの著作物については、④の法人等の名義で公表されることが満たされていなくとも法人著作となります。つまりプログラムの場合は他の4つの条件を満たしていれば公表しなくとも作成した段階で法人著作となります。 よって、著作権は上記の条件を満たす場合に限り相当の対価を支払う必要なく会社に帰属します。
当社はソフトウェアを受注制作するシステム会社です。「工事契約に関する会計基準」が適用された場合、工事進行基準により収益を認識しなければならないのでしょうか?
工事契約に関する会計基準には、「工事契約に関して、工事の進行途上においても、その進捗部分について成果の確実性が認められる場合には工事進行基準を適用し、この要件を満たさない場合には工事完成基準を適用する」(第9項)とあり、工事契約について必ず工事進行基準により収益認識をしなくてはいけないわけではありません。 なお、成果の確実性が認められるためには、①工事収益総額②工事原価総額③決算日における工事進捗度について、信頼性をもって見積もることができなければなりません(第9項)。 信頼性をもって工事収益総額を見積るための前提条件として、施工者に当該工事を完成させるに足りる十分な能力があり、かつ、完成を妨げる環境要因が存在しないことが必要です(第10項)。また、工事契約において当該工事についての対価の定め(当事者間で実質的に合意された対価の額に関する定め、対価の決済条件及び決済方法に関する定め)があることが必要です(第11項)。 信頼性をもって工事原価総額を見積るためには、工事原価の事前の見積りと実績を対比することにより、適時・適切に工事原価総額の見積りの見直しが行われることが必要です(第12項)。 決算日における工事進捗度は、原価比例法(決算日までに実施した工事に関して発生した工事原価が工事原価総額に占める割合をもって決算日における工事進捗度とする方法)等の方法を用いて見積ります。 上記3点を信頼性をもって見積ることができる場合は工事進行基準により収益認識を行わなければなりません。一方、上記3点のうち一つでも信頼性をもって見積ることができない場合は工事完成基準により収益認識を行わなければなりません。
当社では、新規製品の研究開発段階において当該新規製品を試作するのに使用する機械装置を製作しました。この機械装置を製作するのにかかった費用は研究開発費として会計処理すべきでしょうか?
「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針」5項によれば、「特定の研究開発目的にのみ使用され、他の目的に使用できない機械装置や特許権等を取得した場合の原価は、取得時の研究開発費として処理する」こととなります。 「特定の研究開発目的にのみ使用され、他の目的に使用できない」とは、特定の研究開発プロジェクトの目的のみに使用され、他の研究開発プロジェクトに使用することが機能的・物理的にできないことを意味します。 例えば、特定の研究専用の測定機や試験設備などで、研究開発の所期の目的を達成した後には他の用途に転用することができず、廃棄してしまうようなものをいいます。したがって、会社が特定のプロジェクトのみに使用するという予定で取得した場合であっても、目的を達成した後に他の研究プロジェクトや営業の目的で利用することが可能なものは特定の研究開発目的の機械装置等には該当しません。 したがって、ご質問のケースにおいて、当該機械装置を試作のみに使用し、研究開発終了後は廃棄してしまうような場合には、当該機械装置の製作にかかった費用は研究開発費として取得時に費用処理する必要があります。一方、当該機械装置を試作だけでなく、研究開発終了後の製品の量産にも使用する場合には、取得時に固定資産に計上し、毎期減価償却を行う必要があります。
当社では、新規製品の量産体制に入るまでに試作や設計変更を繰り返し行うのですが、どの時点を研究開発の完了とするのかわからないので、教えていただけますでしょうか?
「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針」8項によれば、研究開発の終了時点は、「製品番号を付すこと等により販売の意思が明らかにされた製品マスター、すなわち「最初に製品化された製品マスター」の完成時点」となります。
研究開発の終了時点について図示すると下記のようになります。
製品マスターの完成までにかかった費用を研究開発費として発生時に費用処理することとなります。ただし、製品マスターの制作原価は無形固定資産として計上します。
なお、「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針」2項には、研究開発の典型例が下記のように列挙されています。
①従来にはない製品、サービスに関する発想を導き出すための調査・探求
②新しい知識の調査・探求の結果を受け、製品化又は業務化等を行うための活動
③従来の製品に比較して著しい違いを作り出す製造方法の具体化
④従来と異なる原材料の使用方法又は部品の製造方法の具体化
⑤既存の製品、部品に係る従来と異なる使用方法の具体化
⑥工具、治具、金型等について、従来と異なる使用方法の具体化
⑦新製品の試作品の設計・製作及び実験
⑧商業生産化するために行うパイロットプラントの設計、建設等の計画
⑨取得した特許を基にして販売可能な製品を製造するための技術的活動
また、「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針」26項には、研究開発に含まれない典型例が下記のように列挙されていますが、これは既存製品を念頭においた規定と解されます。したがって、たとえば⑤⑥に設計変更が挙げられていますが、これは既存製品の設計変更のことを指し、新規製品の研究開発段階で行う設計変更はやはり研究開発に該当しますので、2項と26項の区別を明確にしておくことが重要となります。
①製品を量産化するための試作
②品質管理活動や完成品の製品検査に関する活動
③仕損品の手直し、再加工など
④製品の品質改良、製造工程における改善活動
⑤既存製品の不具合などの修正に係る設計変更及び仕様変更
⑥客先の要望等による設計変更や仕様変更
⑦通常の製造工程の維持活動
⑧機械設備の移転や製造ラインの変更
⑨特許権や実用新案権の出願などの費用
⑩外国などからの技術導入により製品を製造することに関する活動
当社は製造業ですが、一部の製品の製造を外注しております。製品の製造に必要な金型は外注先が製作し、外注先で製品の製造のために使用していますが、金型の製作費用は当社で負担しました。この場合、金型についてはどのように会計処理すればよろしいでしょうか?
外注先で使用する金型の会計処理については、所有権が御社と外注先のどちらにあるのかによって異なります。したがいまして、金型の所有権が御社にあるのか、外注先にあるのかを契約書にて明確にしておく必要がございます。
<外注先に所有権がある場合>
仮に御社で費用負担したとしても、所有権が外注先にあれば、会計上、資産計上するのは外注先ということになります。御社では、会計上、一括費用処理または、長期前払費用として計上し、治具・金型の耐用年数で費用化していくことが望ましいでしょう。
なお、税務上は、金型の所有者と費用負担者が異なるため、御社から外注先への金型の贈与となり、寄付金に該当し、損金算入限度額を超える金額について損金不算入額として調整が必要となります。
上記のように、外注先に所有権がある場合、御社で費用負担を致しますと、御社では寄付金として調整が必要となり、また、外注先では受贈益として課税され、お互いに税務上のリスクがございますので、ご留意いただければと思います。
<御社に所有権がある場合>
所有権が御社にあれば、御社の資産を無償貸与しているということになりますので、会計上も税務上も、御社で資産計上し、金型の耐用年数で減価償却を行うこととなります。
特許権に関する会計処理について教えて下さい。
特許権に関する会計処理は、他社から登録済みの特許権を譲り受けた場合と、自社で研究開発を行った結果として特許権を取得した場合とで会計処理が異なります。具体的には、下表のような処理を行うこととなります。
| ケース | 会計処理 | 税務上の留意点 |
|---|---|---|
| 他社から登録済みの特許権を譲り受けた場合 | 買入代価に手続費用を加えた金額を資産計上(無形固定資産) | 特許権の法的有効期間は15年だが、税法では耐用年数8年であるため、実務上は8年で償却 |
| 自社で研究開発を行った結果特許権を取得した場合 | 特許権取得に係る費用(出願手数料等も含む)はすべて研究開発費として発生時に費用処理(*) | 左記のうち、税法上は繰延資産となるものも一括償却が可能であるため、特に留意すべき点はない |
オーバーアロットメントとは何ですか?(2009/09/30)
上場時に、株式の買い手の需要が募集、売出予定株数を超えた場合に、主幹事証券会社が発行会社の大株主等から株式を借りて、募集・売出しと同じ条件で追加的に株式を販売することを言います。
東証への新規上場を考えていますが、定款の株式譲渡制限の定めの削除はいつまでにしなければなりませんか?(2009/09/01)
東証の「「2008年度上場制度整備の対応について」に基づく有価証券上場規程等の一部改正について」において、新規上場申請時における株式の譲渡制限に係る形式要件について、「新規上場申請に係る株式の譲渡につき制限を行っていないこと又は上場までに制限を行わないこととなる見込みのあること」とし、上場までに当該制限を外す見込みがあれば足りるものとされました。 (平成21年8月24日より施行)
上場審査上、労務管理に関して問題となる事項はどのようなことがありますか?(2009/08/25)
上場審査において、企業の成長性・継続性・安定性を人事・労務面で担保されているかどうか人的資源の安定性や、コンプライアンスの視点から労務管理に関して審査されます。 たとえば、問題となる事項には下記のようなものが挙げられます。 ・36協定の未届け(時間外や法定休日に労働させる場合、事前に従業員の過半数代表者又は労働組合との間で締結し、労働基準監督署に提出しておく必要があります。(【労働基準法36条】) ・名ばかり管理職 ・時間外手当の未払い ・従業員の定着率が低い ・社会保険の未加入(短時間労働者の加入要件に留意してください。) ・人事労務関係書類の不整備(労働者名簿、賃金台帳、雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類は、3年間保存しなければなりません。(【労働基準法109条】) ・偽装請負
経理業務をアウトソーシングしていますが、上場審査上問題はありますか?(2009/08/18)
本来経理業務については申請会社が責任を負うべきものであり、ディスクロージャー体制やインサイダー情報の管理体制、管理会計体制整備の観点からも、丸投げすることは認められません。 しかしながら、判断の介入する余地のある部分を社内で実施する体制を確保した上で、伝票の入力・集計など定型化した業務で重要な決定を要しない業務をアウトソーシングすることは原則として問題ないものと考えられています。
上場準備会社ですが、内部統制報告書はいつから提出しなければなりませんか?(2009/07/06)
内部統制報告制度は、上場のタイミングで、適用開始年度が変わります。 申請期中に上場が完了した場合、申請期から内部統制報告制度の適用対象となります。 一方、申請期中に上場が完了しなかった場合(いわゆる期越え上場の場合)、申請期は内部統制報告制度の適用対象外となります。
株式公開準備会社が月次決算早期化を要請される理由を教えて下さい。(2009/05/26)
月次決算は毎月の経営状態を取締役会に報告するために行なわれます。取締役会ではこの報告を受けて、次月にどのような経営を行なうべきかを意思決定することになります。未公開企業の場合、月末から3週間後に取締役会が開催される場合もあり、この場合取締役会が月次の経営成績を把握するのが1ヶ月のうち3週間経過後となり、すでに1ヶ月の大半が過ぎた時期に意思決定を行なうことになります。 公開準備会社が月次決算早期化を要請されるのは、取締役会による、経営成績の把握⇒意思決定というサイクルをタイムリーに行ない、機会の獲得やリスクの低減を確実に行なえる体制を整えるためです。
資金調達を考えているが、金融機関からの借入と増資のメリットデメリットを教えてほしい。(2009/05/22)
| 項目 | 借入 | 増資 |
|---|---|---|
| メリット | 株主構成に影響なし | 利益がなければ配当はしなくてよい。返済の義務なし。 |
| デメリット | 利益の有無にかかわらず元本の返済及び利息の支払が発生 | 株主構成に影響あり(比率によっては経営に介入される恐れあり) |
ロックアップ条項とは何ですか?(2009/05/11)
ロックアップ条項とは、株式公開前から株式を所有する大株主等が、公開後一定期間は株式を売却しないことを主幹事証券会社と契約することを言います。 公開後間もない時期の大株主等による一斉売却により、株価が暴落することを防ぐためのもので、6ヶ月という期間が一般的です。 なお、ロックアップ条項は、有価証券届出書等でリスク情報として開示が必要となります。
弊社は公開準備として、現在特別利害関係者との取引を見直しています。解消しなければならない取引、また解消しなくてもよい取引などがありましたら教えて下さい。(2009/04/15)
まず、申請会社と特別利害関係者等との取引は、その立場を利用して特別利害関係者等に利得行為の発生する余地があり、申請会社、ひいてはその株主が不利益を被る可能性があるため、原則として審査前に取引を解消しておく必要があります。 また、申請会社の関係会社と特別利害関係者等との間に取引がある場合も、同様の理由により解消しておく必要があります。 次に解消しなければならないと考えられる取引には以下のような取引があります。 1.不動産の賃貸借取引がある場合 2.金銭消費貸借取引がある場合 3.債務保証を受けている場合、債務保証を行っている場合 4.多額の仮払金を有している場合 5.特別利害関係者等が申請会社の製品・商品の特許権を有する場合 そして、審査上認められる余地のある取引には以下のような取引があります。 1.申請会社の事業にとって重要性が乏しい取引である 2.当該取引の早期解消が困難である 3.当該取引に合理性かつ必然性がある 4.取引条件が適正と認められる ※該当する取引がある場合は、関連当事者の取引として公開申請書類「Ⅰの部」および有価証券届出書における開示対象となります。 しかし、申請会社とその特別利害関係者との間で取引を行わなければならない必然性は極めて低いため、取引関係の存在自体が問題視される傾向にありますので、原則取引は解消することが望ましいです。
株式とストック・オプションをインセンティブとして用いる場合の違いを教えて下さい。(2009/04/13)
株式はストック・オプションと違い、付与時に現金支出を伴います。従ってその分最初からリスクを負担する必要があるのですが、言い換えればその時点で資産を保有することになります。従って、株式を付与する場合は、例えば取締役など、与えられた資産に対して経営者と同じ気概で責任を果たし、経営者と共にリスクを共有できるものに対して付与する必要があります。一方ストック・オプションは多くの場合付与時に現金支出を伴わないため、従業員などのリスクを嫌うものに有効なインセンティブと言えます。
上場準備会社における増資時の注意点を教えて下さい。(2009/04/03)
上場前の株式等の移動については、直前々期から上場日の前日までに行なった内容を申請書類により開示する必要があります。第三者割当増資等がこの対象に含まれますが、開示内容には注記として1株当たりの株価の算定根拠等についての記載が必要です。 特に第三者割当増資は、既存株主の利益を害することのないよう配慮する必要がある他、時価と乖離した価額での発行は、税務上の大きな問題になりかねません。 開示対象期間に限らず、株式の発行、移動等の際には、第三者による公正な価値評価を行い、株価算定書を入手することにより、合理的な価額での取引が必要になります。
公開審査上の関係会社および特別利害関係者の定義を教えて下さい。
まず関係会社には「資本的関係会社」と「人的関係会社」とがあり、各々の定義は次のようになります。 ①資本的関係会社 申請会社と他の会社が、議決権の20%以上を実質的に所有し、または所有される関係にある場合の当該他の会社をいいます。 ※所有株式数には特別利害関係者の持株数も含みます。 ②人的関係会社 出資の有無にかかわらず、人事、資金、技術、取引等を通じて、申請会社が他の会社を実質的に支配している会社、または他の会社により実質的に支配されている場合の当該他の会社をいいます。 次に「特別利害関係者」の定義は次のようになります。 ①申請会社の役員 ②申請会社の役員の配偶者および二親等内の血族 ③役員等(①及び②)により議決権の50%超が所有されている会社 ④財務諸表規則上(第8条第8項)の関係会社およびその役員
株主割当増資、第三者割当増資、株式譲渡について、資本政策上の持株比率のコントロールに着目した場合の違いはどういった点でしょうか。
各手法を行う前後で、それぞれ発行済株式総数及び対象株主の持株比率は以下のように変化します。(株主割当増資、第三者割当増資は新株発行によるものとします) 株主割当増資・・・発行済株式総数は増加するが、持株比率は変化しない。 第三者割当増資・・発行済株式総数は増加し、持株比率も変化する。 株式譲渡・・・・・発行済株式総数は変化しないが、持株比率は変化する。 資本政策において、ある株主の持株比率のコントロールを目的とする場合、これを変化させる手法としては、上記のとおり第三者割当増資又は株式譲渡が考えられます。 両者の間でも特に株式譲渡は、発行済株式総数(持ち株比率算出のための母数)が変化しないため第三者割当増資よりも、効率的に持株比率を変化させることが出来ると手法と言えます。
弊社は今期を直前々期として、上場準備を行っていますが、
監査役の体制はいつからどのような構成で整えれば良いのでしょうか。
会社法上大会社以外の会社は、取締役会設置会社であれば監査役は1名で良いことになっています。しかしながら上場を考慮すると、監査役として合議により、より適切な職務執行を行うことが求められ、大会社でなくとも、2名以上の監査役による監査役協議会という体制が望ましいといえます。また、上場後の資本政策によって会社法上の大会社となることが想定される場合は、それよりも前に監査役3名による監査役会を組織しておく必要があります。加えて、大会社であれば監査役が3名より減員することが出来ないため、辞任等の不足の事態に備え、3名を下回ることがないよう補欠監査役を選任などにより、予め4名体制としておくことも有効です。
株式公開(IPO)支援
なぜ特別利害関係者との取引を整理するのですか?
会社の利益が役員等特定の者に流出する恐れがあるからです。したがって、特別利害関係者等と会社の利害相反取引やそのような疑いのある取引は、原則として公開前にすべて解消しておかなければなりません。
株式公開(IPO)支援
資本政策策定の検討事項にはどのようなことがありますか?
検討事項
・上場後の株式流動性の確保
・安定株主比率の確保
・インセンティブ・プラン
・従業員の福利厚生(従業員持株会の設立)
・経営権の確保
・オーナー等の創業者利潤の獲得
・事業継承対策
安定株主比率、経営権の確保など手遅れにならないよう早いタイミングからの着手が必要です。
株式公開(IPO)支援
株式公開するメリット、デメリットは?
メリット
・低コストの長期安定資金が調達でき、自己資金の充実で財務体質がよくなる
・株式売出しにより、オーナー利潤が実現する
・市場流通により、株主の換金が可能になり財産が形成できる
・優良企業としてのイメージと知名度が上がり、社会的信用度が高くなる
・組織的な経営体質を余儀なくされるので、経営管理能力が高まる
・役員の個人出資、管理職へのストックオプション、従業員持株会といった制度を活用して会社業績の向上が図れる
デメリット
・事務量の増大、会計監査等によりコストが増大する
・株価の維持、配当の維持等の圧力がある
・企業内容開示の義務が生じる
・買占め等により、会社支配権を失う危険がある
・株主総会対策が必要になる
関連ページ
株式公開(IPO)支援
計上した繰延税金資産は毎期見直す必要があるということですが、見直した結果生じた修正額は、損益計算書上、どのように処理すればよいですか?(2010/6/2)
①回収可能性を見直した結果、生じた繰延税金資産の修正差額は、見直しを行った年度の損益計算書上の法人税等調整額に加減します。
②資産または負債の評価替えにより生じた評価差額が直接純資産の部に計上されている場合は、当該評価差額に係る繰延税金資産の修正差額は、評価差額に加減します。
当社では、営業担当者が得意先から売掛金を集金した際に、その場で「仮領収証」を作成交付し、経理が入金処理した後に「領収証」を得意先に交付しています。この場合、「仮領収証」にも印紙が必要ですか?(2009/12/22)
「仮領収証」は、後日正式の「領収証」が発行されれば無効となるものであっても、それまでの間は有効なものであり、また、受取事実を証明するために作成されたものにほかなりませんから、第17号の1文書(売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書)に該当し、所定の印紙を貼る必要があります。 ※受取書とはその受領事実を証明するために作成し、その支払者に交付する証拠証書をいいます。したがって、「受取書」、「領収証」、「レシート」、「預り書」はもちろんのこと、受取事実を証明するために請求書や納品書などに「代済」、「相済」とか「了」などと記入したものや、お買上票などでその作成の目的が金銭又は有価証券の受取事実を証明するものであるときは、金銭又は有価証券の受取書に該当します。
得意先から売掛金の一部として金銭を受領した際に作成する「預り証」に対する印紙税の取扱いはどうなるのでしょうか。(2009/12/16)
売掛金の一部として金銭を受領した際に作成する「預り証」は、第17号の1文書「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」に該当します。 「預り証」については、金銭又は有価証券の受領が、当事者の一方(受寄者)が相手方(寄託者)のために金銭又は有価証券を預かることにしている寄託契約により受領するものであるのか、それ以外の目的による受領なのかにより印紙税の取扱いは異なります。 前者の場合には、第14号文書(金銭又は有価証券の寄託に関する契約書)となり、後者の場合には、第17号文書(金銭又は有価証券の受取書)に該当することになります。 印紙税法では、その文書に記載されている文言から、寄託契約であることが明らかなものは第14号文書とし、それ以外のものは、第17号文書として取り扱われます。 また、第14号文書は一律200円ですが、第17号文書は記載された金額等によって印紙税額が異なりますのでご留意ください。
創立記念日に、記念品を従業員、元従業員、取引先に支給したいと考えております。その際税務上気をつけることがあれば教えてください。(2009/12/10)
創立記念日に従業員、元従業員に対して支給する記念品は、下記の要件を満たした場合は、福利厚生費となり所得税は非課税となります。 (1) 支給する記念品が社会一般的にみて記念品としてふさわしいものであること。 (2) 記念品の処分見込価額による評価額が1万円(税抜き)以下であること。 (3) 創立記念品のように一定期間ごとに行う行事で支給をするものは、おおむね5年以上の間隔で支給するものであること。 この三つの要件を1つでも満たしていなければ、原則として、支給した記念品などの時価が、給与等として課税されます。 なお、記念品に代えて現金を支給する場合には、その全額が給与等として課税されます。 また、取引先への記念品については、交際費等となりますのでご留意ください。
永年勤続者に対して表彰し、記念品を支給したいと考えております。その際税務上気をつけることがあれば教えてください。(2009/12/04)
永年勤続者の表彰に当たって支給する記念品は、一定の要件を満たさない場合、給与等とみなされ課税されます。 例えば、その人の勤続年数や地位などに照らして、世間一般で行われている金額以上のものであったり、勤続年数が短い人(おおむね10年未満)を対象としていたり、同じ人が5年をあけずに2回以上表彰されている場合などは、原則支給した記念品の時価や費用が給与等として課税されます。 また、商品カタログ等の中から自由に選べるような記念品については、金額の多寡に関わらず給与等とみなされ課税されますので合わせてご留意ください。
特殊支配同族会社とはどのようなものですか。(2009/11/25)
特殊支配同族会社とは、以下の要件を満たす同族会社をいいます。 ・同族会社の業務主宰役員及びその業務主宰役員と特殊の関係のある者(「業務主宰役員関連者」といい親族などが該当します)がその同族会社の発行済株式又は出資の総数又は総額の90%以上に相当する数(議決権、持株、株主数)を有していること ・その業務主宰役員及び常務に従事する業務主宰役員関連者の総数が常務に従事する役員の半数を超えること 業務主宰役員とは、法人の業務を主宰する役員1人を指し、個人に限られます。 また、常務に従事する役員とは、会社の経営に関する業務を役員として実質的に、日常的に行っている役員をいいます。
不動産取得税の軽減特例の延長があったと聞きました。その内容を教えてください。(2009/10/21)
・土地及び住宅用家屋については、標準税率を3%とする特例が平成24年3月31日まで延長されました。
・宅地等の課税標準について固定資産税評価額の2分の1とする特例が、平成24年3月31日まで延長されました。
地方法人特別税とは何ですか?(2009/10/02)
平成20年度の税制改正により、地域間の税源偏在を是正するため、消費税を含む税体系の抜本的改革が行われるまでの間の暫定措置として、法人事業税の一部を分離し、地方法人特別税が創設されました。 都道府県が法人事業税の一部を地方法人特別税としていったん国に収めたのちに、地方法人特別贈与税として国から再分配される仕組みとなっています。 平成20年10月1日以後開始する事業年度及び同日以後の解散(合併による解散を除く)による清算所得(清算事業年度予納申告を含む)に適用され申告納付が必要ですが、各法人の税負担が増えるというわけではありません。
プリペイドカードを購入し(@500円×42枚=21,000円)、社名を印刷して(印刷代8,400円)得意先等へ贈答しました。消費税等の額はいくらになりますか。(2009/09/25)
プリペイドカードは物品切手等に該当します。物品切手等の譲渡は非課税とされているため、プリペイドカードの購入費用は非課税となります。一方、社名の印刷代は、印刷という役務の提供の対価として支払うものであり、課税取引に該当します。 したがって、ご質問の消費税等の額は、印刷代にかかる400円となります。
外国子会社配当益金不算入制度の概要を教えて下さい。(2009/08/28)
平成21年度の税制改正に盛込まれ、平成21年4月1日以降開始する事業年度から適用が開始されている制度です。
これまで外国子会社からの配当については、当該外国の法人税率と日本の法人税率の差分の課税が発生していましたが、この外国子会社から国内への配当額を、国内法人の所得の計算上益金負算入とし、非課税とするものです。
非課税となるのは、配当額全体から5%を差し引いた額であり、差し引いた5%の外国源泉税等の額は、国内法人の所得の計算上損金に算入しないこととなるため、実質、外国子会社からの配当に対して非課税となるのは、配当額全体の95%となります。
住宅の省エネ改修工事を行ったとき、所得税が安くなる制度とはどのような制度ですか。(2009/08/27)
家庭におけるエネルギー消費が大幅に増加している中、太陽光発電設備を含め、省エネ住宅の普及を加速するため、新たに所得税の税額控除制度が創設されました。本制度では、ローン減税と異なり、自己資金で投資を行った場合でも税額控除の対象となります。
会社が役員から借入を行う際に、どのようなことに注意すればよろしいでしょうか?(2009/08/24)
役員個人からの借入が多い会社には、税務署の目に止まりやすいです。特に同族会社などで収入を除外した金銭が、借入金の形で会社に入ってきたのではないかと疑われるからです。 ですから、役員からの借入に際しては、借入の事実を明らかにするために長期・短期に関わらず、会社と役員との間で金銭消費貸借契約書を作成し、賃借条件等を明らかにするとよろしいでしょう。 次に、金利についてですが、無利息で借入を行ったときは、会社では支払うべき利息と、その支払利息を免除された利益が相殺される結果となり、課税問題は生じません。 一方、高利で借入れたときは、通常支払うべき額を超える部分については役員給与となります。(通常の金利とは概ね年4.1%または市中銀行の貸出金利程度)
税効果会計には一時差異と永久差異があることはわかりましたが(「Q&A(2009/08/03)」)、連結財務諸表を作成する場合にもこのような差異が発生しますか。(2009/08/12)
まず連結財務諸表における税効果会計とは、個別財務諸表において財務諸表上の一時差異等に係る税効果会計を適用した後、連結財務諸表作成手続において連結財務諸表固有の一時差異に係る税金の額を期間配分する手続です。 連結財務諸表固有の一時差異は、資本連結に際し、子会社の資産及び負債の時価評価により評価差額が生じた場合、連結会社相互間の取引から生ずる未実現損益を消去した場合、連結会社相互の債権と債務の相殺消去により貸倒引当金を減額修正した場合等に生じることになります。
みなし配当とは?(2009/08/11)
法人が株主への金銭等の交付を伴う合併、分割型分割、残余財産の分配、自己株式の取得などを行った際に、交付される金銭等と資本金等の金額との差額は、税務上利益の配当等とみなすとされることから、資本金等の金額を越える部分をみなし配当と呼びます。
当社は簡易課税制度の適用を受けていまが、今後事業拡大のため設備投資を考えています。簡易課税制度の適用を受けている場合には、消費税の還付が受けられないと聞いています。消費税の還付を受けるための手続きについて教えてください。(2009/08/05)
簡易課税制度のデメリットは消費税の還付が受けられないことにあります。 設備投資などにより課税売上高にかかる消費税額よりも課税仕入高にかかる消費税額が大きくなることがあり、簡易課税を選択している事業者が原則課税により還付を受けようとする場合には、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」をその納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。(消費税法第37条第2項) 消費税簡易課税制度選択不適用届出書の提出があったときは、その提出があった日の属する課税期間の末日の翌日以後は簡易課税制度の選択の届出は、その効力が失われますので原則課税となり、確定申告により消費税の還付が受けられることになります。(消費税法第37条第4項)
欠損金の繰越と欠損金の繰戻の違いについて教えてください。(2009/08/04)
欠損金の繰越とは、確定申告書を提出した法人の各事業年度開始の日前7年以内に開始した事業年度で青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金額を、その各事業年度の所得金額の計算上損金の額に算入することです。
一方、欠損金の繰戻とは、欠損金が生じた事業年度においてその欠損金を前事業年度に繰り戻し、前事業年度に生じた所得に対して支払った法人税の還付を受けることです。
税効果会計の対象となる一時差異とはどのようなものを言うのでしょうか?(2009/08/03)
企業会計上の利益と、法人税法上の所得の違いには以下の2通りがあります。 A.収益と益金、費用と損金の考え方は同じだが認識するタイミングが異なることにより生じる差異 B.収益と益金、費用と損金の考え方が異なることによる差異 Aの差異は認識するタイミングが異なることにより生じる差異なので、将来、その差異は必ず解消されます。このような差異を一時差異といい、税効果会計の対象となります。 一方、Bの差異は、考え方が異なることにより生じる差異なので、将来もその差異は解消されることはありません。このような差異を永久差異と言って、税効果会計の対象とはなりません。例でいうと「交際費」が永久差異に該当します。
注文請書を発行しない場合は、注文書に印紙を貼る必要はないのでしょうか。(2009/07/31)
この場合、注文書が見積書に基づくものである場合には、注文書に印紙を貼る必要があります(印紙税法基本通達第21条第2項第2号)。 注文書が見積書に基づくものである場合とは、例えば注文書に該当する注文書ナンバーが記載されているなど、その見積書に対して発行されたことが書面上で確認できる場合が該当します。
従業員に対するストック・オプションに係る費用を計上した場合の税効果会計の処理を教えてください(2009/07/30)
課税所得計算上、加算・留保されたストック・オプションに係る費用の累積残高のうち、税制非適格ストック・オプションに係る費用で、かつ、将来権利行使時に損金算入されることが見込まれる部分のみが、税効果会計上、将来減算一時差異として認識され、繰延税金資産の計算対象となります。
売上債権が貸倒れたことにより、回収が不能となった場合の消費税の取り扱いについて教えてください。(2009/07/29)
(貸倒れに係る消費税額の控除等) 消費税法 第39条第1項、第2項では「事業者(※1)が国内において課税資産の譲渡等(※2)を行った場合において、その課税資産の譲渡等の相手方に対する売掛金その他の債権につき会社更生法の規定による更正計画認可の決定により債権の切捨てがあったことその他これに準ずるものとして政令で定める事実が生じたため、その課税資産の譲渡等の税込価額の全部又は一部の領収をすることができなくなったときは、その領収をすることができないこととなった日の属する課税期間の課税標準額に対する消費税額から、その領収をすることができなくなった課税資産の譲渡等の税込価額に係る消費税額(その税込価額に105分の4を乗じて算出した金額)の合計額を控除する。 上記の規定は、事業者がその債権につき上記に規定する事実が生じたことを証する書類を保存していない場合には、適用されません。 ただし、災害その他やむを得ない事情によりその保存をすることができなかったことをその事業者において証明した場合は、この限りではない。」とされています。 なお、手形交換所の停止などでは貸倒引当金の設定を具備していても控除はできないことに留意する必要があります。 (※1)免税事業者は除かれます。 (※2)輸出免税等により消費税が免除されるものを除きます。
特定の長期所有土地等の所得の特別控除とはどういうものでしょうか?(2009/07/27)
平成21年度の税制改正で、「特別控除制度」が創設され、その内容はつぎのようになります。 ・法人が平成21年1月1日から平成22年12月31日までの期間内に買った国内になる土地等で、所有期間5年超のものを売った場合において、一定の要件のもとで所得金額の計算上、売却益(1,000万円を限度)を損金に算入する。 また、一定の要件とは、 ・売却益であること ・その事業年度のうち、同一の年に売った土地等のいずれについても「特定資産の買換えの特例」の適用をうけていないことになります。 所有期間5年超の計算は、売った日で計算するのではなく、売った年の1月1日で計算することになります。 なお、棚卸資産となる土地等については、当該制度の適用はありません。
取引基本契約の中で、個別の取引については注文書及び注文請書による旨の規定がある場合、注文書に印紙を貼る必要はあるのでしょうか。(2009/07/24)
この場合、注文書に印紙を貼る必要はありません(印紙税法基本通達第21条第2項第1号)。 この場合、注文書は単に申込みの事実を証明するものであって、契約には該当せず、契約の成立を証する書面には、注文請書が該当します。従って、注文請書が課税文書となり、その作成者が印紙税の納税義務者となります。
海外出張時の経費精算について、消費税の取扱いについて教えてください。(2009/07/22)
主な海外出張に伴う経費についての消費税の取扱いについては以下のようになっています。 海外出張の国内支度金(注1)、国内での空港までのタクシー代・電車賃・航空券代などの交通費、国内空港使用料、国外の出張手当については、課税扱いとなります。 だだし、渡航のための航空券の購入費用については、課税対象外となります。 (消費税法基本通達11-2-1) (注1)海外出張の国内支度金で通常必要と認められる範囲内で支給されるものについては、給与に該当しないものとされます(所得税基本通達9-3)。
当社は、今後海外向けに製品の輸出販売を検討しておりますが、消費税の取扱いについて教えてください。(2009/07/14)
事業者(免税事業者を除く。)が国内において商品などを販売する場合には、原則として消費税がかかります。 しかし、次に掲げられるものに該当するものについては消費税が免除されることになっています。 (一)本邦からの輸出として行われる資産の譲渡又は貸付け (二)外国貨物の譲渡又は貸付け (三)国内及び国外にわたって行われる旅客若しくは貨物の輸送又は通信 (四)専ら(三)の掲げる輸送の用に供される船舶又は航空機の譲渡若しくは貸付け又は修理で政令で定めるもの (五)(一)~(四)に掲げる資産の譲渡等に類するものとして政令で定めるもの (消費税法第七条第一項) なお、この規定を受けるためには、その課税資産の譲渡等が輸出取引等に該当するものであることについて証明(輸出許可書など)されることが必要です。 (消費税法第七条第二項)
消費税の中間申告はいつまでに申告、納付すればよいのでしょうか?(2009/07/10)
まず、前年の納付消費税額の大小によって回数が異なります。 大きい会社 ・・・・ 年11回 直前の課税期間の確定消費税が4,800万円超の会社 中くらいの会社・・・・・年3回 直前の課税期間の確定消費税が400万円超、4800万円以下の会社 小さい会社・・・・・年1回 直前の課税期間の確定消費税が48万円超、400万円以下の会社 48万円以下の会社は中間申告の必要はありません。 次に納付時期は以下のようになります。 大きい会社・・・中間申告対象期間の翌日から2ヶ月以内です。 ただし、1回目の中間申告期限は、課税期間開始の日の2ヶ月を経過した日から2ヶ月以内となります。 中くらいの会社・・・3ヶ月ごとに中間申告します。 課税期間開始後3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月を経過した日から、それぞれ2ヶ月以内となります。 小さい会社・・・課税期間開始の日以降6ヶ月を経過した日から2ヶ月以内となります。
みなし配当について教えてください。(2009/07/07)
法人(公益法人等及び人格のない社団等を除く)の株主等が、次に掲げる事由により金銭その他の資産の交付を受けた場合において、その金銭の額とその他の資産の価額の合計額が、その法人の資本金等の額又は連結個別資本金等の額のうちその交付の基因となった株式(投資口を含みます)又は出資に対応する部分の金額を超えるときは、その超える部分の金額を利益の配当等とみなし課税の対象とされます。 (1)その法人の合併(適格合併を除く) (2)その法人の分割型分割(適格分割型分割を除く) (3)その法人の資本の払戻し資本剰余金の額の減少を伴う又はその法人の解散による残余財産の分配 (4)その法人の自己の株式又は出資の取得(一定のものを除く) (5)その法人の出資の消却、出資の払戻し、その法人からの社員その他の出資者の退社若しくは脱退による持分の払戻し又はその法人の株式若しくはその法人の出資をその法人が取得することなく消滅させること (6)その法人の組織変更(株式又は出資以外の資産を交付したものに限る)
繰延消費税ってなんですか?(2009/07/03)
その事業年度の課税売上割合が80%未満である場合に、その控除対象外消費税額が棚卸資産以外の資産の取得に係る部分の金額(一つの資産に係る控除対象外消費税額が20万円以上)である場合についてはその資産に係る控除対象外消費税額は繰延消費税額として、一時の事業年度の損金とはせずに一定の金額を次期以降の事業年度の損金として繰り延べていきます。これを「繰延消費税等」としてB/Sに計上ているのです。
移転価格税制の概要を教えて下さい。(2009/07/02)
移転価格税制とは、企業が国外の関連企業と行なった取引について、第三者との取引価格に置きなおして課税することにより、収益の国外流出による租税回避を防止するための税制です。
関連会社との取引では、取引価格を自由に決められるため、日本よりも法人税率の低い国に収益を集中することにより、納税額を低く抑えることが出来てしまいます。これを防止することが目的となります。
「消費税課税事業者届出書」と「消費税課税事業者選択届出書」の違いについて教えてください。(2009/06/22)
「消費税課税事業者届出書」とは、基準期間の課税売上高が1,000万円を超えたことにより課税事業者となる場合の届出書となるのに対して、「消費税課税事業者選択届出書」は基準期間の課税売上高が1,000万円以下の事業者が、課税事業者を選択する場合の届出書となります。 なお、届出書を提出するに当たっては提出時期に十分留意する必要があります。 「消費税課税事業者届出書」は事由が生じた場合、速やかにその納税地を所轄する税務署長に提出しなければならない(消費税法第57条第1項第1号)のに対して、「消費税課税事業者選択届出書」は課税事業者の適用を受けようとする課税期間の初日の日の前日までにその納税地を所轄する税務署長に届出書を提出しなければなりません(消費法第9条第4項)。
弊社は消費税の課税事業者です。105万円(消費税等込み)の売り上げ代金の領収書に貼る印紙は、200円でしょうか、400円でしょうか。(2009/06/19)
消費税の課税事業者が消費税等の課税文書を作成する場合に、消費税額等が区分記載されているとき又は、税込価格及び税抜価格が記載されていることにより、その取引に当たって課されるべき消費税額等が明らかとなる場合には、その消費税額等は印紙税の記載金額に含めないこととされています。 なお、この取扱いの適用がある課税文書は、次の三つに限られています。 ① 第1号文書(不動産の譲渡等に関する契約書) ② 第2号文書(請負に関する契約書) ③ 第17号文書(金銭又は有価証券の受取書) ご質問の領収書で消費税額等が明らかな場合、記載金額100万円の課税文書(上記③)となり、印紙税額は200円となります。 一方、消費税額等が明らかでない場合(「消費税額等5%を含む。」では明らかであるとは言えないとされます。)、記載金額105万円の課税文書(上記③)となり、印紙税額は400円となります。 記載金額が大きくなると印紙税額も大きくなります。上記①~③の課税文書作成の際にはご留意ください。 【ご参考】 ③ 第17号文書(金銭又は有価証券の受取書) 1. 売上代金に係る受取書の印紙税額 記載された契約金額が
| 100万円以下のもの 100万円を超え200万円以下のもの 200万円を超え300万円以下のもの 300万円を超え500万円以下のもの 500万円を超え1千万円以下のもの 1千万円を超え2千万円以下のもの 2千万円を超え3千万円以下のもの 3千万円を超え5千万円以下のもの 5千万円を超え 1億円以下のもの 1億円を超え 2億円以下のもの 2億円を超え 3億円以下のもの 3億円を超え 5億円以下のもの 5億円を超え 10億円以下のもの 10億円を超えるもの 受取金額の記載のないもの |
200円 400円 600円 1千円 2千円 4千円 6千円 1万円 2万円 4万円 6万円 10万円 15万円 20万円 200円 |
| 1通につき 受取金額の記載のないもの | 200円 200円 |
使用人の家賃を全額会社が負担した場合、所得とみなされ、給与課税されてしまうのでしょうか?給与課税されない方法はありますでしょうか?(2009/06/18)
まず、全額家賃を会社負担とすると全額給与課税となります。 例外として、職務遂行上やむを得ない場合に使用者の指定した場所に居住した場合における経済的利益(家賃)は非課税になります。 例外とは具体的に以下のようなケースです(所得税基本通達9-9) ①常時交代制により昼夜作業するための必要上提供した家屋また部屋 ②看護師、守衛等勤務場所と居住場所が離れていることが困難な場合 ③早朝、深夜勤務が常例のホテル等の従業員げ提供した部屋 ④季節労働者へ提供した部屋でその期間住み込む場合 ⑤工場寄宿舎で事業所の構内又は隣接地の部屋 または、家賃の1/2以上徴収か、固定資産税課税標準額を賃貸料相当額による場合は課税とはなりません。 例外以外では確実に課税されるので注意が必要です。
海外転勤の内示を受けましたが、仕事の引き継ぎなどがありまだ出国はしておりません。どの時点から日本の非居住者となりますか。(2009/06/15)
所得税法第2条(定義)では、居住者は「国内に住所を有し、又は現在引き続いて一年以上居所を有する個人をいう。」とあり、非居住者は「居住者以外の個人をいう。」となります。 ご質問の内容からはどのくらいの期間海外に転勤されているのか判断はできませんが、1年以上海外に居所をかまえるとすると、所得税法基本通達2-4(居住期間の計算の起算日)「所得税法第2条第1項第3号に規定する『1年以上』の期間の計算の起算日は、入国の日の翌日となることに留意する。」とありますので、同様に考えますと、出国の日の翌日から非居住者となります。
弊社では、今期の決算で棚卸資産の廃棄を行いましたが、税務調査に備えて、何か準備しておいたほうがよいことはありますでしょうか?(2009/06/04)
まず、廃棄や除却は、調査官にとっては事実の把握が難しいため、厳しくチェックされる傾向にあります。 チェックするポイントは、廃棄した在庫が本当に価値のない在庫か、廃棄処分という名目だけで、簿外在庫が存在していないかがポイントになります。そのため、以下の資料をご準備されるとよいでしょう。 ・廃棄した在庫の明細 ・承認を得た、廃棄処分に至った理由を記載した稟議書 ・廃棄物処理業者からの廃棄証明書、または請求書
私は飲食業を営む個人事業主です。お店で提供している売れ残った商品を自家消費した場合の取り扱いについて教えてください。 なお、今年から消費税の課税事業者となります。(2009/06/01)
個人事業者が棚卸資産又は棚卸資産以外の資産で事業の用に供していたものを家事のために消費し、又は使用した場合には事業として対価を得て行われた資産の譲渡とみなす(消費税法4-4-1)。 自分のお店で販売している商品(棚卸資産)を自家消費した場合は、売上に加算する必要があります。 ただし、棚卸資産を自家消費した場合は、その棚卸資産の仕入価額以上の金額、かつ、通常他に販売する価額のおおむね50%に相当する金額以上の金額を対価の額として確定申告したときはその取扱いを認める(消基通10-1-18)。
社員に社宅を貸与する場合、源泉税はかかりますか?(2009/05/29)
社員に社宅を貸与する場合、賃貸料相当額の50%以上を徴収していれば非課税となりますが、50%未満の場合には、徴収額と賃貸料相当額との差 額が課税されます。 所得税基本通達36-45、41より賃貸料相当額の計算式は下記のとおりです。 (その年度の家屋の固定資産税の課税標準額)×0.2%+12円×(当該家屋の総床面積)/3.3+(その年の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22% *固定資産納税義務者であれば、自己以外の固定資産台帳は市役所で閲覧可能とのことです。 例えば、賃貸料相当額が1万円の場合 a) 無料で貸与する場合・・・1万円が給与とされ、課税されます。 b)4千円で貸与する場合・・・1万円の50%未満なので、1万円-4千円=6千円が給与とされ、課税されます。 c)6千円で貸与する場合・・・1万円の50%以上なので、非課税となります。 ただし、現金で支給される住宅手当や、入居者が直接契約している場合の家賃負担は、社宅のためとしても給与として課税されるのでご留意ください。
当社では毎年お中元を得意先に贈っていますが、5,000円以下の飲食等については交際費から除かれると聞きました。飲食物の詰め合わせを贈答とした場合の処理はどのようになりますか。 なお、当社は期末資本金が1億円以下となります。(2009/05/25)
交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人がその得意先、仕入先その他事業に関係ある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用をいいます。 平成18年4月1日以降開始する事業年度から1人当たり5,000円以下の飲食費が一定の要件を満たすことにより、交際費等の範囲から除外されることになりました。 なお、単なる飲食物の詰め合わせを贈答する行為は、いわゆる中元・歳暮と変わらないことから、そのために要する費用は交際費等となります。
簡易課税制度とはどのような制度ですか?どんな会社でも簡易課税制度を選択できるのですか?(2009/05/21)
課税簡易制度とは、実際の仕入税額を計算しないで、課税売上の一定割合を課税仕入とみなして控除額を計算する制度です。 例えば、卸売業で 課税売上4千万円の場合 ①売上にかかる消費税 160万円 ②仕入にかかる消費税 144万円(4千万円×90%×4%) ③差引納付額 16万円 このように、仕入にかかる消費税を、課税売上の90%とみなして計算する方法が簡易課税制度です。 90%(みなし仕入率)は以下のように業種によって異なります。 第1種事業(卸売業) 90% 第2種事業(小売業) 80% 第3種事業(製造業等) 70% 第4種事業(その他) 60% 第5種事業(サービス業等) 50% 次に簡易課税制度を選択適用できる事業者は 基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者が選択することができます。
平成21年度税制改正により、海外子会社からの配当の益金不算入の制度が新設されたそうですが、全額を益金不算入にできるのでしょうか?(2009/05/20)
配当の額に課される源泉税控除前の金額の95%相当額が益金不算入となります。したがって、受取配当の額の全額が益金不算入となるわけではないので、ご留意ください。 また、「内国法人が保有しているその株式等の数又は金額がその発行済み株式等の総数又は総額の25%以上に相当する数又は金額」となっていること、すなわち、出資比率が25%以上であることが必要となります。なお、配当等の額の支払義務が確定する日以前6ヶ月以上継続して25%以上の出資比率であることが必要です。 海外子会社からの配当の益金不算入の制度は、内国法人の平成21年4月1日以後に開始する事業年度において海外子会社から受け取る剰余金の配当の額について適用されることとなります。
消費税の「税込経理方式」と「税抜経理方式」メリット・デメリットは?(2009/05/14)
「税込経理方式」では、消費税等の額は取引額に含めて計上するので、一仕訳ごとに消費税を把握しなくて済み、経理処理が簡便です。 その反面、少額減価償却資産の取得価額等の判定額、交際費の損金算入限度額の判定額が税込金額となることから、課税所得が「税抜経理方式」より大きくなるため、節税面でデメリットがあるといえます。 逆に「税抜経理方式」では、一仕訳ごとに消費税を把握するため、経理処理が煩雑である一方、少額減価償却資産の取得価額等の判定額、交際費の損金算入限度額の判定額が税抜金額となることから、課税所得が「税込経理方式」より小さくなるため、節税面でメリットがあるといえます。
一定規模以下の小規模事業者については、納税義務が免除されると聞いたことがありますが、免税事業者となるための要件を教えて下さい。(2009/05/13)
免税事業者となるためには、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であることが要件となります。基準期間の課税売上高が1,000万円を超えることとなった場合には、「消費税課税事業者届出書」を税務署に提出する必要があります。
税理士法人に対して支払った報酬に対して源泉徴収は必要ですか?(2009/05/07)
所得税法第204条による税理士の業務に関する報酬に対する源泉徴収は、その支払いを受ける者が個人である場合にのみ必要とされています。 よってご質問にある税理士法人につきましては、源泉徴収は不要となります。
「覚書」って課税文書に該当するのでしょうか?(2009/05/01)
「覚書」においては文書の形式、名称のいかんを問わず、内容により課税文書・非課税文書の判断を行うことになります。例えば「覚書」により契約書の内容の変更をする場合、変更内容が重要な事項に該当する事項を変更する場合は課税文書に該当し、重要な事項に該当しない事項を変更する場合は課税文書に該当しません。 ここでいう重要な事項とは印紙税法基本通達で定められている事項を言います。 また、契約当事者の一方が署名・押印して相手方に交付する形式の念書、承諾書、請書など契約の成立等を証することとなる文書は全て契約書に該当します。
取締役報酬を期中に減額した場合、全額が損金付算入となるのでしょうか。(2009/04/28)
役員報酬を減額した場合、減額後の毎月の支給額が同額である場合は、減額後の支給額が本来の定期同額給与と考えられ、減額前と減額後の差額のみが損金不算入扱いとなります。 具体的には、損金不算入額を以下のように計算します。 減額前:毎月20万円を6ヶ月支給 減額後:毎月10万円を6ヶ月支給 損金不算入額=(20万円-10万円)×6ヶ月=60万円
非課税取引と不課税取引の違いを教えてください。(2009/04/27)
課税の対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等と輸入取引です。これ以外の取引には消費税はかからないので、このことを一般的に不課税取引といいます。国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等であっても、課税対象になじまないことや社会政策的配慮から消費税を課税しない取引もあります。こちらは非課税取引といいます。 不課税取引:例)国外取引、対価を得て行うことに当たらない寄附や単なる贈与、出資に対する配当など 非課税取引:例)土地、有価証券、商品券などの譲渡、預貯金の利子や社会保険医療など ※参考:国税庁ホームページ「タックスアンサー」
取締役の不始末に伴い、期中に役員報酬を4ヶ月間減額したのですが、この場合当社が支給する役員報酬はその全額が定期同額給与に該当しないのでしょうか?(2009/04/22)
役員給与の一定期間の減額が企業秩序の維持や円滑な企業運営、企業の社会的評価などにより行われたものであり、処分内容も社会通念上相当である場合は、減額された期間についても引続き同額の定期給与の支給が行われているものとして取り扱うことができます。 ※参考:国税庁「役員給与に関する質疑応答事例」
弊社は、法人税について確定申告書の提出期限の延長の特例(法人税法第75条の2)により確定申告期限の1月間延長を受けております。しかし、消費税については、会計監査人の監査等の理由により、当期の決算額が確定する前に申告期限が到来します。この点、会計監査人の監査等により申告期限の到来後に決算額が変更された場合、どのように対応したらよいのでしょうか。(2009/04/07)
消費税法では、法人税法のような申告期限の延長の特例は設けられておりません。このため、会計監査人の監査等により申告期限の到来後に決算額(納付税額)が変更になった場合には、修正申告又は更正の請求を行うこととなります(関連条文:消費税法第45条第1項)。
輸出売上と課税売上割合の関係を教えて下さい。
輸出売上は免税取引として扱われますが、課税売上割合の計算上は課税売上に含めて計算されるため、分母、分子の両方に加算されることになります。 そのため、非課税取引がない場合は輸出売上取引の増減により課税売上割合は変動しませんが、非課税取引がある場合は、輸出売上の増加に伴い課税売上割合が増加することになります。
外国の大使館や外交官に物品を販売した場合、消費税は免税になりますか?
消費税の免税を受けるためには一定の手続が必要になります。すなわち、事業者が、本邦にある大使館等又は本邦に派遣された大使等に対して課税資産の譲渡を行った場合は、その外国の大使館等又は大使等が外交、領事館その他の任務を遂行するために必要なものとして、一定の方法によりその課税資産を譲り受け、若しくは借り受け、又は役務の提供を受けるときは、その課税資産の譲渡等については、消費税は免除されます。 ただし、免税対象となる外国公館等は、相互条件に基づき外務省(外務省大臣官房儀典官室)が発行した証明書の交付を受けた大使館等又は大使等に限られます。また、大使館等又は大使等に免税で課税資産の譲渡等ができる事業者は、国税庁長官から指定を受けた課税事業者(免税指定店舗)に限られますので、免税店舗の指定を受けたい事業者は、「外国公館等に対する消費税免税指定店舗申請書」を外務省に提出することにより、同省を通じて申請することとされています。【参照条文:租税特別措置法第86条第1項、租税特別措置法施行令第45条の4第1項】
3社間で契約書を作成した場合の収入印紙について①契約書へ貼った収入印紙への消印は必ず必要でしょうか?また、必要な場合、3社それぞれの消印が必要なのでしょうか?②すべての契約書(3通)に弊社にて収入印紙を貼付するべきでしょうか?
①につきまして、収入印紙は消印をすることによって納税した証明となりますので、収入印紙への消印は必要となります(印紙税法第8条第2項)。貼り付けた印紙に消印しなかった場合には、消印されていない印紙の額面に相当する金額の過怠税が徴収されることになりますのでご注意ください。
また、「2以上の者が共同して作成した課税文書にはり付けた印紙を第8条《印紙による納付等》第2項の規定により消す場合には、作成者のうちの一の者が消すこととしても差し支えない。(印紙税法基本通達第64条)」とありますので、3社のうち1社が消印することで足ります。
②につきまして、「課税文書を2以上のものが共同して作成した場合には、当該2以上の者は、その課税文書について、連帯して印紙税を納める。(印紙税法第3条第2項)」「一の課税文書を2以上の者が共同作成した場合における印紙税の納税義務は、当該文書の印紙税の全額について共同作成者全員に対してそれぞれ各別に成立するのであるが、そのうちの1人が納税義務を履行すれば当該2以上の者全員の納税義務が消滅するのであるから留意する。(印紙税法基本通達第47条。)」
とありますので、印紙代の負担に関しては当事者での取決めとなります。(それぞれ自己の保管する分について自己負担とするなど。)
引越して住所が変わりました。社会保険事務所へは住所変更を届け出ましたが、ハローワークへ届け出る必要はありますか?(2010/1/13)
必要ありません。会社の住所が変わった時のみ、届け出ます。ちなみに氏名が変わった場合はハローワークにも届け出る必要があります。
エクスパッツとは何ですか?(2009/07/15)
海外の本店、支店、親会社、関係会社等に所属している職員で、転勤等の理由により日本へ派遣された者を一般にエクスパッツと呼びます。
割増賃金の計算には、諸手当は含まれますか?(2009/06/26)
割増賃金の計算の基礎になる賃金は、労働の対価として支払われる給与の総額をいいますので、基本給だけでなく、諸手当も含まれますが、下記のものは除外しても良いことになっています。 割増賃金の計算の基礎になる賃金から除外されるもの 1.家族手当 2.別居手当 3.通勤手当 4.子女教育手当 5.住宅手当 6.臨時に支払われる手当 7.一箇月を超える期間ごとに支払われる賃金 割増賃金等の計算の基礎になる賃金に含まれるかどうかは、名称ではなく内容により判断されます。
「確定拠出年金(日本版401k)」とはどのような制度ですか?(2009/06/25)
簡単に言うと、将来受け取る企業年金(給付額)を、従業員個人が運用する制度です。ですから当然運用成績によっては将来受け取る企業年金が増減することになります。 企業側としては、毎年の積立金額が確定しているので、追加で補填する必要はなくなりますが、従業員個人に運用を任せることになりますので、金融商品等についての教育が必要になります。 また、転職した際に前職場の資産残高を引継げることがメリットの一つでもあります。 一方、既存の確定給付型年金は、年金の給付額があらかじめ確定していて、一定以上の運用益を出すことを前提として、従業員のそれぞれの年金を毎年積み立てていく仕組みです。多くの企業では運用益が年率5.5%を下回ると「赤字」になり、補てん金が必要になります。
管理職には残業代を払わなくて良いのですか?(2009/06/02)
労働基準法第41条は、「監督若しくは管理の地位にあるもの(以下【管理監督者】)」について、労働時間、休憩および休日に関する規定の適用の除外を認めています。 したがって、【管理監督者】に対しては労働基準法上の時間外割増・休日割増賃金の支払いは不要です。 しかしながら、「管理職」である者が【管理監督者】といえるかというと、必ずしもそうでありません。 【管理監督者】に該当するか否かについては、昭和22年9月13日付発基第17号、昭和63年3月14日付基発第150号に基づき、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者の意であって、労働時間、休憩及び休日に関する規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない重要な職務と責任を有し、現実の勤務太陽も労働時間等の規制になじまないような立場にあるかを職務内容、責任と権限、勤務態様及び賃金等の待遇を踏まえ総合的に判断されるとしています。 ですので、管理職であるからといって、一律に時間外割増・休日割増賃金を払わないとすると法的に妥当でない場合もありますので注意が必要です。 なお、深夜労働に対する割増賃金が給与に含まれることが就業規則等で明らかな場合以外は、【管理監督者】に該当する場合でも労働基準法第41条は深夜労働に関する規定について除外していませんので、深夜労働に対する割増賃金の支払が必要となります。
雇用保険法が改正されました。経理上影響ありますか?(2009/04/16)
雇用保険制度のセーフティネット機能及び失業された方に対する再就職支援機能を強化するため、雇用保険制度が改正され、平成21年3月31日から施行されました。このうち、経理上影響があるのは、雇用保険料率の引下げです。失業等の給付に係る雇用保険料率が平成21年度に限り0.4%引き下げられましたので、給与ソフト等の修正が必要です。また、労働保険の年度更新の申告・納付の時期が6月1日から7月10日までに変更されていますのであわせてご留意ください。
派遣と請負の違いについて教えてください。
派遣と請負は、目的・指揮命令権・責任・雇用契約関係において下記のように異なります。
| 派遣 | 請負 | |
|---|---|---|
| 目的 | 労働力の供給 | 仕事の完成 |
| 指揮命令権 | 派遣を依頼した会社(派遣先企業) | 請け負った会社(請負元企業) |
| 責任 | 派遣先企業 | 請負元企業 |
| 契約 | 労働者派遣契約 | 請負契約 |
| 雇用契約 | 労働者-派遣元企業間 | 労働者-請負元企業間 |
コンピュータ利用監査技法(CAAT)とはどのようなものですか。(2009/12/01)
コンピュータ利用監査技法とは、コンピュータ支援監査技法ともいいコンピュータを監査において利用する技法です。 CAATの実施には、大きく2つの方法があります。 ①被監査対象会社のコンピュータにプログラムを組む込む技法で主にシステム開発の段階で利用されます。 ②被監査対象会社の電子データを入手し、監査人のPCで監査手続を行なう技法で現在主流となっています。
損益分岐点とは何ですか?(2009/11/17)
損益分岐点とは、利益ゼロになる売上高をいいます。 利益は、売上高ー経費=利益とあらわせ、売上高>経費ならば 黒字、売上高<経費ならば 赤字となり、黒字と赤字の境目である売上高=経費が損益分岐点です。 経費は売上高の増減に連動せずに発生する固定費と売上高の増減に変動して発生する変動費に分解でき、損益分岐点は 固定費÷(1-変動費÷売上高)で算出することができます。 損益分岐点を分析することは、経営計画を立てる段階で黒字にできる売上高を把握し、目標をいくらにするのかの判断材料となったり、現在の収益性の指標ともなります。
適正在庫量とはどのような在庫の量を言うのでしょうか?(2009/11/16)
適正在庫量は在庫の種類、会社により異なりますが、不足と余剰の両方を回避することのできる量を言います。 在庫管理では、取引先との信用維持等のために、不足を回避したいという要請と、資金繰りの圧迫を避けるために余剰を回避したいという要請の両方に対応する必要があります。 不足を回避することを重視するあまり、余剰に対して無防備となり、在庫の回転率低下が資金繰り圧迫の要因になっていることも少なくありません。 在庫の余剰を回避するためには、一定期間の日次の在庫数量を把握し、常時保たれている最低在庫量が、不足を回避するために最低限必要な量かどうかを再検討することが必要です。
KFSとは何ですか?(2009/11/05)
KFSとは(Key Factor For Success)の略で目標達成のために注意すべきポイント、目的、タスクなどを指し、成功のカギとも言われます。 営業力やマーケティング能力だけでなく、コスト競争力、商品開発力やアイデアを実現する能力など、企業や業種によって様々です。自社を取り巻く市場を構成する各要素(商品、顧客、競合など)と、自社の業務機能(製造、販売、物流など)を洗出し、その中から戦略的に意味のあるものを拾い出して最終的にKFSを決定します。
空売りとは何ですか?(2009/11/2)
空売りとは、証券会社から株を借りて売却し、その株が値下がりした時点で買い戻す事で利益を得る投資方法です。 対象物の価格が下落していく局面で利益を得られる手法で「信用売り」も同義語です。
会社設立にあたって、資本金の額をいくらにしたらよいか判断材料を教えてください。(2009/10/26)
会社法では、資本金は1円以上から自由に決めることができるようになりました。資本金の額をいくらにするかには、下記のような判断材料があげられます。 1.1,000万円未満だと設立から2年間消費税の納税が免除される 2.資本金の額に応じて法人住民税の均等割りが段階的に高くなる 3.認可制事業では、認可を得るために一定以上の資本金が必要となる 4.当面の運転資金の確保 5.資本金が少なすぎると社会的信用が低く見られやすい
KPIとは何ですか?(2009/10/22)
KPIとは(Key Performance indicator)の略で重要業績評価指標と訳されます。経営の目標や戦略を実現するために設定した具体的なビジネスプロセスをモニタリングするために設定される指標の中で、特に重要な指標を指します。 例えば、経営管理上重要な指標として売上や利益をあげた場合、その指標を左右する要因となる更に細分化された指標がこれに該当します。
日本版ESOPとは何ですか?(2009/10/06)
日本版ESOPとは、アメリカで普及している従業員持ち株会制度の日本版で、信託を活用する方式が主流です。 信託(第三者の信託銀行等)が、企業からの資金や銀行借入等を原資として、当該企業の株式を取得します。 信託は、従業員持ち株会からの拠出金に応じて、時価で当該企業の株式を従業員持ち株会に譲渡します。 日本版ESOPは、信託を活用することにより、株式の取得資金を銀行借入により賄うことができる点が特徴です。 この日本版ESOPは、株価や業績に対する従業員のモチベーション向上や、企業が保有する自己株式の受け皿としての役割が期待されています。
資産の流動化とはどういうものですか?(2009/09/15)
資産の流動化とは、債権や不動産などの資産の将来のキャッシュフローを裏付けとして、資金調達を行う方法をいい、当該資産に対するコントロールを維持したまま当該資産をオフバランス化することが可能となります。 流動化のメリットとしては、 ①譲渡人が引き続き譲渡資産の管理業務などを委託することにより原債務者との関係を維持できること ②流動化による資金調達は、企業の信用力ではなく流動化対象資産の将来のキャッシュフローが裏付けとなるため、対象資産の信用力によっては低コストでの資金調達も可能となること ③資産がオフバランス化されるので財務比率(総資産利益率や自己資本比率)が向上すること などがあげられます。
購買活動における発注の方法にはどのようなものがあるのでしょうか。(2009/09/04)
発注には大きく3つの方法があります。 ①都度発注方式(必要な時に必要な量を発注) ②定期発注点方式(決まった時に必要な量を発注) ③定量発注点方式(決まった量を必要な時に発注) 発注では発注する量と時期を決定する必要があり、中でも需要状況や欠品を回避するための安全在庫量の見積りを要する量の決定がより複雑で難易度が高いといえます。そのため、上記の3つの方法では、①>②>③の順で手間とコストがかかります。取り扱う在庫の特性(需要の変動、価格の高低など)と費用対効果を考慮して、適切な発注方法を選択することが必要となります。
中小企業の定義を教えて下さい。(2009/08/21)
中小企業の定義は「中小企業基本法第2条第1項」に以下のように規定されています。 製造業、建設業、運輸業、その他の業種 ⇒資本金3億円以下又は常時雇用する従業員300人以下 卸売業 ⇒資本金1億円以下又は常時雇用する従業員100人以下 サービス業 ⇒資本金5千万円以下又は常時雇用する従業員100人以下 小売業 ⇒資本金5千万円以下又は常時雇用する従業員50人以下 なお、法律その他の規則ごとに対象となる中小企業の定義が異なることがあるため、上記に限らずその事案ごとの確認が必要です。
執行役と執行役員の違いを教えてください。(2009/07/21)
執行役とは、委員会設置会社において業務を執行する役員であり、執行役員とは、会社の業務執行に対する責任と権限を持つ代表取締役(または代表執行役)の指揮命令下にある会社の使用人をいいます。 執行役が委員会設置会社における法的な機関であるのに対して、執行役員は会社の使用人であり設置は任意となります。
執行役員制度の一般的な導入目的を教えて下さい。(2009/06/05)
取締役は通常、経営意思決定、業務執行、取締役会での他の取締役の業務執行の監督を行なうこととなっています。この取締役の機能から、業務執行のみを委譲し、これを代わりに行なうのが執行役員です。 これにより業務の執行について取締役は執行役員を監督することとなるため、迅速な意思決定により経営のスピードを高めること、及び業務執行の監督機能の強化を目的として導入されるのが一般的です。
